ケイの読書日記

個人が書く書評

エラリー・クイン「フランス白粉の謎」

2006-08-11 10:05:36 | Weblog
 ご存知、国名シリーズ第2弾。1作目の「ローマ帽子の謎」よりも面白い。

 
 ニューヨーク5番街にそびえたつ人気デパートの展示室から転がり出た女の死体。その死体には、どういう訳だか、くちびるの半分しか紅が塗られていなかった。一体どうして?


 国名シリーズお約束の読者への挑戦状のところで、私もじっくり犯人が誰か推理してみたが、うーん分からない。
 1作目もそうだけど、この「フランス白粉の謎」でも登場人物が多すぎるよね。それで、解答編を読んでみる。
 いつものように探偵役のエラリー・クインの長い長い論理的考察が延々と述べられている。
 確かにつきつめていくと、犯人はその人しかいなくなる。納得!

 こうやって、謎が解けてしまうと、「どうして、こっちの方向から事件にアプローチしなかったんだろう」と自分のふがいなさを悔やむ。

 しかし、最大の謎、くちびるの上半分しか紅が塗られてなかった理由が、これでは弱すぎるような気がする。
 女はそんなことで紅を塗るのを途中で止めたりしません。


 最後に気になることを一つ。この時代としては(1930年前後)しかたがないことだろうけど、人種的偏見が強い表現が多々見られる。残念です。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする