ケイの読書日記

個人が書く書評

ディクスン・カー「緑のカプセルの謎」

2008-06-12 10:17:03 | Weblog
 カーにしてはめずらしく密室物ではない。毒殺物。
 作品の終わりの方にフェル博士の毒殺講義があり、これが結構有名らしい。固有名詞が沢山でてくるが、これって皆、実在した毒殺犯なんだろうか?

 毒殺というと女性が犯人、というイメージがあるが、どうしてどうして男もやってますなぁ。

 フェル博士は、毒殺こそ「見つかりやすい、バカバカしい犯罪」と述べている。発覚したらそうかもしれないが、自然死や病死というように判断され、見つからない毒殺というのは結構あるかもしれない。


 なんていったって、林真○美が犯人として捕まった毒カレー事件も、最初は町内会主催の夏祭りで出されたカレーで食中毒!! というニュースだったのだ。
 あれも、死者が出ず、入院くらいだったらそれほど調べなかっただろう。
 食中毒の原因菌も特定せず発表するなんて、保健所っていい加減なんだなぁ、と思った覚えがある。


 さて、話を本作品に戻そう。
 小さな村の菓子店で、毒入りチョコレートが売られ、子どもが犠牲になった。ところが、その地方の犯罪研究を趣味とする名家の主人が、毒殺事件のトリックを発見したと称して公開実験を行なう。
 しかし、その最中に当の本人が緑のカプセルを飲んで毒殺されてしまった。

 容疑者も少なく、動機もわかりやすいので、犯人の目星はつくが、さて、この強固なアリバイをどうやって崩そうか?
 なかなか考えさせられる。
コメント
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