ケイの読書日記

個人が書く書評

有栖川有栖「スウェーデン館の謎」

2008-11-15 15:48:30 | Weblog
 雪に閉ざされた山荘とその離れ。その離れで起こった殺人。しかし、離れの周りには、被害者が離れに戻る足跡と第一発見者の往復の足跡しか残っていなかった。
 犯人の足跡はどこに消えた?!

 これも『46番目の密室』と同じ雪の上に残った足跡と煙突が出てきた。
 でも、こちらの方がうんとシンプル。道具も何も使わない。なるほど!! こうすれば犯人の足跡は無くなるか!

 しかし厳密に言えば、死斑の問題とかが出てきて、そんなにうまくいかないだろうが。まぁ、本格物にそんな細かい事を要求してもね。

 この作品には30歳前後の独身女性が2人登場する。
 いつも思うが、火村に好意を寄せる女性っていないんだろうか? 私が今まで読んできた中ではニューハーフのマリリンちゃんだけだったが、私が未読の作品には書かれているんだろうか?
 ”女嫌い”というホームズからの名探偵の伝統を守っている火村だが、ホームズだって彼に好意を寄せてくれた女性依頼人はいたのだ。
 火村は鼻筋の通ったハンサムというのに。

 『ロシア紅茶の謎』の最後で火村は呟く。「俺だって胸をかきむしられるような想いをしたことはあるさ」…本当?


 しっかし日本の男ってキンパツが好きだね。アリス先生が想いを寄せるスウェーデン館の女主人・ヴェロニカは、見事な金髪碧眼らしい。
コメント (5)
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