ケイの読書日記

個人が書く書評

有栖川有栖「海のある奈良に死す」

2008-11-20 15:33:52 | Weblog
 いつもの有栖川有栖とは違う。国名シリーズと同じタイプの作品を期待して読んだ人はガッカリするかも。


 アリスに「行ってくる。『海のある奈良』へ。」と言い残して出かけた、同業の推理作家が、翌日、福井の古都・小浜で死体となって発見された。
 いったい誰が何のために彼を殺した?

 そうだなぁ。旅情ミステリというか、浅見光彦シリーズと雰囲気が似ている。ただ違うのは、浅見光彦は作品中でモテまくるが、アリスや火村はさっぱりだ、という点。

 特にこの作品には、45歳でありながら、どうみても20歳前半にしか見えない女社長と、30代後半の女流推理作家が登場するので、どう進展するんだろうと読み進めていたが、まったく何も起こらない。

 どうやら有栖川先生は、本格推理小説に恋愛はご法度という考えなのかもしれない。

 小浜が『海のある奈良』と言われていることは知らなかった。小京都と呼ばれているとはガイドブックに書いてあったよ。
 実は学生時代(つまり30年ほど前)友達と小浜へ2泊3日の旅行をした事がある。
 こじんまりした古い町並みで、やたらお寺が多かった。レンタサイクルで私もあちこちの神社仏閣を回ったなぁ。
 火村とアリスの小浜・調査旅行を読んでいて懐かしく思い出した。

 もちろん、オバマ大統領誕生の時の熱狂振りが報道されて、その時も思い出したけれど。
コメント (2)
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