ケイの読書日記

個人が書く書評

岸本葉子「からだに悪い?」

2009-05-04 08:02:52 | Weblog
 比較的最近(2002年以降)の、あちこちの雑誌に書いたエッセイを加筆修正し、構成したエッセイ集。

 私の敬愛する岸本さんは、お元気そうでなによりです。
 初めて岸本さんのエッセイを読んだ人は、なに?この平淡なエッセイは?思う人も多いかもしれませんが、その非ドラマ性こそ岸本葉子さんの持ち味。昨日と変わらない今日、なにげない日常のありがたみを綴っています。

 このエッセイ集を読んで、長年の疑問が解けました。
 岸本さんは大学卒業後、生命保険会社に勤め、そこを2年4ヶ月で辞め北京に留学しました。
 生命保険会社って給料がいいだろうになぜ?と思っていたのです。入社して会社の雰囲気になじめなかった岸本さんは、しばらくして転職しようと家庭裁判所の調査官の試験勉強をし始めます。
 一次の筆記試験は合格しましたが、二次の面接で不合格。しかし職場の皆には転身をはかったこ事も、それが果たせなかった事もバレバレで、とても居づらくなってしまい、そんな時、知人が中国に留学したのを知り、よし!私も!と準備を始めるという事が書かれています。

 岸本さんは自分でも書いていますが、彼女のように自己を向上させようと強い意欲を持つ人って「このままではいけない」という強迫観念にも似た思いをずっと持ち続けていますね。
 それってスゴイというか、シンドイというか疲れるでしょうね。
コメント
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