ケイの読書日記

個人が書く書評

小倉千加子「シュレーディンガーの猫」

2010-09-08 11:20:26 | Weblog
 小倉千加子は、上野千鶴子と並び称されるフェミニズムの権威。こう書くとすごくおっかない人のようだけど、実際は芸能ネタの大好きな柔らかな文章を書く人です。
 なんせ『松田聖子論』という論文を書いた事もある。1952年生まれ。

 この『シュレーディンガーの猫』は、1990年から2005年にかけて新聞や新聞系週刊誌に載せたエッセイを集めたもの。
 朝日、読売、毎日、などなど大手ばかりです。

 やっぱり古いですね。(初出が1990年~2005年だから、今読めば古いのは当たり前だが)女子大の教授を長く勤め、女子大生の就職観や結婚観を題材としてエッセイをたくさん書いているが、ズレてるなぁ。
 今の女子大生は、もっと必死だと思う。


 面白かったのは『林真理子論』(他にも中村うさぎ論というのも載っているが、これは中村うさぎを持ち上げすぎ)
 美しい女流作家がマスコミにチヤホヤされている中、美しくない事を一種の武器として戦っている彼女は、カッコイイ。
 泥臭いほどメジャー志向の彼女は、ヘンに高尚な文化人、趣味人を気取ってないので清々しい。
コメント
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