「2年前の未解決殺人事件を再調査して欲しい。これが、先生のゼミに入った本当の目的です。」臨床犯罪学者・火村は、教え子の貴島朱美から、突然、調査を依頼される。
さっそく火村は、友人で推理作家の有栖川とともに、当時の関係者から事情を聞こうとするが、その矢先、火村あてに新たな殺人を示唆する電話が入って…。
こういった魅力的な始まりだったが、展開は…うーん、無駄にややこやしく、無意味に複雑。
以前から感じていたが、有栖川有栖って、短篇に比べると長編はあまり良くないね。彼の持ち味の論理性が薄まってしまうような気がする。
長編でいいなと思えるのは、「46番目の密室」くらいかな。
本筋とは関係ないが「補陀落(ふだらく)渡海」という仏教信仰の話が作品の中に出てくる。
海の彼方に補陀落(ふだらく)浄土という極楽浄土があり、そこにたどり着こうと、南無阿弥陀仏と染め抜いた帆を張った小舟で船出するらしい。
どう考えてもたどり着けるわけは無い。
信仰心が揺るがない人が船出するならいいが、少しでも疑問に思っている人だったらできないだろう。
でも、周りの弟子達が盛り上がってしまって、止めるに止められない状況になってしまったら…。
先日読んだ「湯殿山麓呪い村」の即身仏と重なるものがある。
宗教って憧れる気持ちもあるが、恐ろしいね。
さっそく火村は、友人で推理作家の有栖川とともに、当時の関係者から事情を聞こうとするが、その矢先、火村あてに新たな殺人を示唆する電話が入って…。
こういった魅力的な始まりだったが、展開は…うーん、無駄にややこやしく、無意味に複雑。
以前から感じていたが、有栖川有栖って、短篇に比べると長編はあまり良くないね。彼の持ち味の論理性が薄まってしまうような気がする。
長編でいいなと思えるのは、「46番目の密室」くらいかな。
本筋とは関係ないが「補陀落(ふだらく)渡海」という仏教信仰の話が作品の中に出てくる。
海の彼方に補陀落(ふだらく)浄土という極楽浄土があり、そこにたどり着こうと、南無阿弥陀仏と染め抜いた帆を張った小舟で船出するらしい。
どう考えてもたどり着けるわけは無い。
信仰心が揺るがない人が船出するならいいが、少しでも疑問に思っている人だったらできないだろう。
でも、周りの弟子達が盛り上がってしまって、止めるに止められない状況になってしまったら…。
先日読んだ「湯殿山麓呪い村」の即身仏と重なるものがある。
宗教って憧れる気持ちもあるが、恐ろしいね。