ケイの読書日記

個人が書く書評

「密室殺人事件」角川文庫

2010-10-28 21:13:54 | Weblog
 阿刀田高 「天国に一番近いプール」
 折原 一 「不透明な密室」
 栗本 薫 「袋小路の死神」
 黒崎 緑 「洋書騒動」
 清水義範 「モルグ街の殺人」
 法月綸太郎「緑の扉は危険」
 羽場博行 「虚像の殺意」
 連城三紀彦「ある東京の扉」   8編が収められている。
 
 こういったミステリーアンソロジーには、一つ二つ全くバカバカしい作品が含まれているものだが、これにはそういった駄作が無く、なかなか粒揃いのアンソロジーだと思う。

 特に、法月綸太郎の「緑の扉は危険」は以前にも読んで感心したが、やはり本当にいい密室モノだと思う。
 机上の空論でなく、偶然に頼りすぎている訳でもなく、現実的でこれだったらできそう。

 清水義範「モルグ街の殺人」も、ポーのあまりにも有名な話を下敷きにしているが、ちょっと変わっていて面白い。

 黒崎緑は初めて読んだ。この「洋書騒動」は、密室殺人とは関係なくて、なんでこのアンソロジーに入っているのか不思議だが、コミカルで読みやすい。

 連城三紀彦のミステリは初めて読んだ。トリックはともかく、別の仕掛けで面白く読ませるんだよね。
コメント
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