ケイの読書日記

個人が書く書評

石田衣良「シューカツ!」

2011-04-18 10:21:45 | Weblog
 大学3年生の千晴は、学内の仲間7人と『就活プロジェクトチーム』を結成。目標は最難関マスコミ全員合格!

 クールなリーダー、美貌の準ミスキャンパス、理論派メガネ男子、体育系柔道部、テニスサークル副部長、女性誌編集者志望のぽっちゃり系、といった個性豊かなメンバーの闘いはいかに?

 リーマンショック前の、ちょっと景気がよくなりつつある時の就職活動記だから、すごく明るい。
 1人、リタイアが出たが、残りの6人はほぼ希望した会社に入社できた。(4人は第一志望のマスコミに、2人は第一志望ではなかったが、有名メーカーに)
 しっかし、いくらなんでもこんなお伽噺アリ? いくら彼らの通っている大学が有名私大(たぶん早稲田がモデル)だとしても、大手マスコミなんて1000人に1人の割合でしょう?

 就活なんて30年前に終えてしまったオバハンの私でも、読んでいてムカムカするのに、現役就活生だったら、なおさらムカムカするだろう。

 この小説の始めの方に出てくる海老沢さん。彼は千晴と同じ有名私大の卒業生だが、就職氷河期に社会人となり、希望した職に就けず転職を繰り返し、今は千晴と同じファミレスでアルバイトしている。
 アルバイトから正社員への登用を期待していたようだが、まったくサービス業に向いていない。30歳過ぎてアルバイトでは、やる気が出ないのだろう。
 お客とトラブルを起こし、店を辞めてしまった。
 飲食店って、本当に厳しいみたいだものね。

 こういった人が登場すると、リアリティがありすぎて気が滅入るが、就活楽勝というのも、ノーテンキ過ぎる様な。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする