ケイの読書日記

個人が書く書評

林真理子「下流の宴」

2011-06-08 14:59:00 | Weblog
 偶然だが、今NHKで、黒木瞳主演「下流の宴」を放送してるね。見たいけど、ちょうどその時間、私は『ガイアの夜明け』を見るので残念だがパス。

 林真理子の作品にしては後味の良い小説だった。いつもムカつく女が成功する話が多いが、これはちょっと違う。

 
 48才の福原由美子は、夫と娘・息子がいる専業主婦。夫は、出世コースは外れているが、一応有名企業のサラリーマン、娘は上昇志向の強い(つまり玉の輿願望の強い)OL。
 そして息子は、親が中学受験させ、まあまあの中高一貫校に入れたが、高校中退し今はフリーター。
 この息子が親と喧嘩して家を出てから、彼女と同棲を始める。
 由美子は、その彼女・珠緒と会ったが、下品で不器量で頭が悪いとボロクソにこき下ろす。

由美子「私の実家は医者だったんです。言ってはナンですけど、沖縄のどっかの島で飲み屋をしているあなたの家と違うんです。」

息子の彼女・珠緒「医者の娘っていうことでそんなにえらいんなら、私が医者になりますよ」

 そして珠緒は、周りが驚くほどの集中力と努力で、2年後、なんと地方の国立大学医学部に合格するのだ。

 お伽噺じみているが、ごく少数でもこういう人っている。


 それと対極なのが、由美子の娘・可奈。玉の輿ねらいなので、派遣会社に登録。毎朝おしゃれして、ミッドタウンにある会社に出掛ける。
 高収入の男と結婚し、安逸な生活を手に入れることを人生の目標にしている。
 高給取りの外資系金融マンと結婚し、白金マダムとして楽しい生活を送っていたが、夫がストレスから鬱病を発症し…。

 人生というのは、なかなか良く出来ていますね。
コメント
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