ケイの読書日記

個人が書く書評

「作家の猫」平凡社コロナブックス

2011-12-17 10:51:00 | Weblog
 カバー表に目を奪われる。中島らもの『とらちゃん』
 カバー裏にも惹きつけられる。室生犀星と『ジイノ』なんと猫が火鉢に手を掛け温まっている!!

 他にもお宝写真がいっぱい!
 大佛次郎(この人は猫好きで有名)が、食事中の猫を見守っている写真がある。猫がずらっと並んで、自分の目の前のお皿のゴハンを食べている、その数7匹!!
 よくもまあ、他のお皿には目もくれず、お行儀よく自分の皿のゴハンを無心に食べるものだなぁ。自分の分はあっという間に食べてしまって、食の細い猫のゴハンを狙うジャイアン猫が必ずいると思うけど…。
 大佛次郎が、生涯に飼った猫は500匹以上になるらしい。

 面白かったのは猫嫌いの方。
 夏目漱石は『吾輩は猫である』を書いたが、夫婦揃って猫は好きではなかったようだ。吾輩に名前が無いのには理由があった。

 それから意外なのは宮沢賢治。作品にはよく猫が出てくるが、猫嫌い。残念だなぁ。煤で汚れたかまど猫の話なんか、すごく好きだったのに。
 志賀直哉も猫嫌い。(この人はそんなイメージがある)

 大御所は中国の魯迅。この魯迅も猫が大嫌いで、虐待している事を堂々と自分の作品に書いてあるらしい。
 今だったら、お巡りさんに捕まるよ。
コメント
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