ケイの読書日記

個人が書く書評

皆川博子「開かせていただき光栄です」

2011-12-23 13:21:53 | Weblog
 いつもは5日目(遅くても6日目)にブログの更新をしているが、いくらぐうたらな私でも、さすがに年末は忙しい。半分しか読めなかった。残り後半は年内に何とか読みたい。

 皆川博子の最新作。もう80歳を越していると思うが、旺盛な創作力でなによりです。

 18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室から、あるはずのない屍体が発見される。四肢を関節から切断された少年と、顔をつぶされた男性。
 増える屍体に戸惑うダニエルと弟子たち。
 そこに治安判事が部下を連れて現われ…。


 この時代、産業革命が起こったイギリスでも、キリスト教の影響はすごく強かったろうから、先端科学であったが屍体を切り刻む解剖学者たちは偏見にさらされた。
 正規のルートから屍体が手に入らず、墓あばきのゴロツキから屍体を買うのだ。

 それと、ロンドンの貧民窟や監獄の衛生状態・治安の悪さといったら、読んでる私がペストになりそうだ!!

 日本でも江戸時代そうだったのかなぁ。いゃあ、やっぱりロンドンの貧乏人の方が悲惨だったろう。だって、これじゃ落語噺が出来る余地は無いよ。あまりにも悲惨すぎて。
 江戸時代は貧しかったにせよ(飢饉の時は除いて)それなりに生活が成り立っていたんじゃないだろうか?

 なんにせよ、この作品はミステリ仕立で期待がもてる。後半を読むのが楽しみです。
コメント
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