ケイの読書日記

個人が書く書評

ジェイン・オースティン「高慢と偏見」

2012-06-19 14:23:28 | Weblog
 英国恋愛小説の古典として、有名な小説だから、前から読みたいと思っていた。図書館の書架に㊤㊦2冊そろって並んでいるのを見つけ、ラッキー!と借りて読んでみる。

 まず驚いたのは、このお話って、私はヴィクトリア朝の時代だとばかり思っていたが、それよりも前、18世紀の終わりごろの話なんだ。なんと!!ナポレオンが出てくるもの。
 それに『ジェイン・エア』のような重厚な物語かと思えば、会話が主体ですごく読みやすく、私の嫌いな風景描写がほとんど出てこない。
 こんなことなら、もっと早く読めばよかった。


 知的で美人のエリザベスは、大地主で美男子で頭脳明晰なダーシーと知り合うが、その高慢な態度に反感をいだく。そこに、エリザベスの姉とダーシーの友人の恋愛話が絡まり、恋敵の妨害もあって、大騒動がもちあがる。

 この時代の、イギリス版婚活物語ですね。
 ちょっと驚いたのは、結婚の条件として、収入がストレートに出てくること!!
 この時代のイギリスの中・上流階級の人たちって、汗水流して働くという感覚はないです(そういう労働は下層階級の人たちがやることだと思っている)
 だから、もともと自分が手にするだろう不労所得(遺産や年金や配当、土地の小作料など)が全てで、一生懸命働いて収入をアップさせようという事は思わない。
 パーティで知り合って、お互いに好意をいだいた男女でも、お互いにお金が無いと知ると、アッサリあきらめる。
 収入がない男は、遺産が転がり込んだ女のご機嫌をけんめいにとって、結婚にこぎつけようとする。
 個人の収入がいくらか、役所で簡単に調べることができるんだ。

 それからもう一つ、社交術がその人の評価の95%くらいを占めるという事。パーティで両隣に座った異性と、いかに会話を途切れさせずに楽しく会話するかという事が、最重要課題なのだ!!
 コミュニケーション能力が低い人は、この時代のこの階級では、本当に生きづらいだろう。

 さ、エリザベスとダーシーの恋の行方はいかに? ㊦巻を読むのが楽しみです。
コメント
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