ケイの読書日記

個人が書く書評

糸山秋子「末裔」

2012-06-30 21:54:50 | Weblog
 妻を病気で亡くし、子どもは独立して家を出て行って、一人残った初老の男。
 彼が勤め先の役所から、ごみ屋敷になりつつある自宅へ帰ってきて、カギをあけ中に入ろうとすると…なんと!!鍵穴がない!!

 こんなシュールな場面から始まるこの小説は、どうもよくわからない。わかろうとしてはいけないのかもしれない。

 家に入れないので街中をうろついていると、「あなたの奥さんに生前お世話になりました」という自称・占い師が寄ってくるし、空き家になっている叔父の家に勝手に住み着くと、おしゃべりする犬が挨拶に来る。
 それに…犬の七福神って、なんだよ!!

 だいたい、末裔というタイトルなのに、この初老男は、故人である自分の父や伯父、もっと遡って長野県に住んでいたという彼らの先祖の事を調べに、出かけている。

 初老男に子どもは2人いる。しかし、上の兄には、奥さんはいるが子どもはいないし、下の妹は、結婚の予定も意思もないので、当然子どもはいない。
 やはり、人間という生き物は、自分の子孫がいなくなるという事実を目の当たりにすると、関心が先祖に向かうのかな。

 
コメント
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