ケイの読書日記

個人が書く書評

ジェイン・オースティン「高慢と偏見」㊦

2012-06-25 15:03:49 | Weblog
 

 これぞ、正統派恋愛小説!!!
 ヒロイン・エリザベスは、恋敵の妨害、相手の叔母の反対、自分自身のプライドと偏見などといった幾多の困難を乗り越え、大金持ちでハンサムなダーシーと結婚。また、彼女の姉も、ダーシーの友人と結婚する、というパッピーエンドストーリー。

 だからこそ、時代を超えて世界で読み継がれるのだろう。しかし…「めでたし、めでたし」でゴールインの後がうんざりするほど長いんです。現実の生活は。

 例えば、エリザベスの一番下の妹は、ダーシーの元執事の息子と駆落ちするが、どう考えても、男が借金から逃げるのに引きずられたにすぎない。
 駆落ちという行為は、この時代、とんでもなく不道徳な事なので、女の親・兄弟姉妹・親戚は、必死になって、女に持参金をつけ男と結婚させようとする。(駆落ちして結婚しなければ、娼婦と同じ扱いを受ける)
 しかし、その借金の額が半端ではなく、その先も、いい気になって借金を作り続けるので、いつもその肩代わりをすることになる。
 ダーシーがいくら金持ちだからといって、いつまでもニコニコはしてないだろう。

 それに、両親が亡くなっているダーシーの妹は、兄であるダーシーをすごく頼りにしている。彼女が、兄嫁とそんなに仲良くなれるだろうか? 兄の関心が自分から、エリザベスに移ってしまっている事を、面白く思わないのが人情では?

 どうしても、私は小姑目線で、小説を読んでしまいます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする