後半は、前半ほど退屈ではなく、なかなか面白かったが、しかし長い!!
主人公バーディが、アルカトラズの要塞刑務所から、仲間に脅されるようにして脱走し、見つかって撃たれる場面から、一気にパンプキン王国というファンタジーの世界にワープする。
パンプキン王国というのは、どうも日本の小さな島がモデルのようだが、メルヘン過ぎて私には理解不能。
地球内部の地下都市とか、亜空間とか、そういう事なのかな?と読み進めていくと、4枚の図形が出てきて、それをバーディに選ばせる場面がある。この図形がとても重要な意味を持っているようだが、これもサッパリわからない。
そして、バーディから聞き出した日付が8月9日。まてよ、8月9日と言えば、長崎に…とぼんやり考えているうちに、小説内では「まばゆい閃光がガラスの外の世界を覆いつくした。これまでの人生で一度も見たことがない強烈な光だった」
そうだ、前半部分から「ナチが新型爆弾を作っている。アメリカも、その先を越さなければやられる」といったような記述が、あちこちにあったのは、ここに関係してくるのだ。
最後のエピソードの章で、謎が解き明かされる。特にパンプキン王国についての謎が。あれは、バーディの妄想ばかりではなかったのだ。
後半はなかなかの力作だと思うが、主人公バーディが猟奇犯罪を犯す前半部分が、なぜ必要なのか、分からない。それぞれ独立した話だったら、もっとスッキリしただろう。