ケイの読書日記

個人が書く書評

岸本葉子「江戸の人になってみる ①お江戸の1年」

2014-10-23 16:11:43 | Weblog
 タイトル通り、エッセイストの岸本葉子さんが、『絵本江戸風俗往来』という江戸末期の古本を片手に、東京に残る江戸の風情を探しに、浅草寺の花祭り、駒込の富士塚、向島百花園のお月見、鷲神社の酉の市などを訪ね、江戸の暮らしに思いをはせた一冊。

 正直、中部の地方都市に暮らしている私にはピンとこない話題もあるが、首都圏在住の人だったら「ああ、アレが…」と思い当たる事も多いのでは…。

 例えば『富士塚』。これは前にTV番組の『世界ふしぎ発見!』で取り上げていたから、私も興味があった。

 江戸時代、富士山信仰はさかんだったが、今とは違って、簡単には登れない。お金もかかるし、日数もかかる。江戸から静岡や山梨に行くだけでも大変だった。だから、多くの人は、富士講というものを作り、お金を集めて代表で数人が富士山へ登った。その他の人は、寺や神社の境内に人工的に作った箱庭式の富士山に登ったという。
 その箱庭式の富士山が『富士塚』。ちゃんと富士浅間社の神様の分身を移して祀ったらしい。
 そうやって、富士登山の疑似体験をした。

 その『富士塚』が東京には、まだあちこちに残っているそうな!
 いいなぁ、私も富士塚に行ってみたい!!!


 それに酉の市の熊手。商売繁盛にご利益があるとかで、大変な混雑がよくニュースで紹介されている。この熊手って、値札がないんだって!初めて知った。交渉により決まるんだって。それじゃ、初心者では買いにくい。
 バブルの頃は、百万円の熊手が飛ぶように売れたとか。今は、そんな事はないだろうけど。



 京都とか東京に賃貸アパートを借りて、1年くらい暮らしてみたいなぁ。日本って、一種の大きなアミューズメント・パークだよね。海外へ行ってロマンチックなお城を見るのもいいけど、日本の事、もっとよく知りたいと思うようになった。せっかく、この国に生まれたんだもの。
コメント
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