ケイの読書日記

個人が書く書評

角田光代「森に眠る魚」

2012-01-05 14:09:10 | 角田光代
 新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 新年早々、重い小説を読んじゃったなぁ…。軽く後悔。

 1999年東京文京区で、2歳の女の子が、母親の友人であった主婦に殺された、あの『お受験殺人』をモチーフにしている。

 東京の教育熱心な地域で、5人の母親が出会う。育児を通じて仲良くなるが、小学校受験のため、その関係が変容していく。
 初めは受験するつもりが無かった母親も、周りの受験熱にひっぱられ、その渦中に巻き込まれていく。

 私の住んでいる所は首都圏ではないので、小学校受験する人は余程のお金持ち。
 この本の中で、一般的な私立小学校は、入学金34万、年間授業料100万、維持費や雑費が年間30万、寄付金50万くらいかかると書いているが、トータルで210万、入学金のぞいて180万、よくこんな高額な授業料が払えるなぁ。
 母親がパートで働くくらいじゃ、ゼッタイおっつかない。

 角田光代も、ママでないのに、どうしてこんなにママ友仲間の心理を描けるんだろうね。あまりにもリアルで息苦しくなるほど。

 ただ、子どもが大きくなると分かる事がある。
 母親達が仲良いと子供達が仲良くなるのは、子どもが小さいうちだけ。どう頑張っても小学校低学年までだろう。
 それ以降は、子どもは自分で仲の良い子を見つける。
 この当たり前のことを理解できない母親は混乱する。

 同性の友人と長く友達でいたいなら、あまり親密になりすぎないこと。親密になりすぎると、ちょっとの事で裏切られたような気になり、関係がギクシャクする。
 末永く付き合いたいなら、一定の距離をとる事。

 これが半世紀生きてきた私の指針…かな?

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