ケイの読書日記

個人が書く書評

エラリー・クイン「シャム双生児の秘密」

2006-10-17 15:40:23 | Weblog
 国名シリーズ第7弾。

 休暇から帰る途中のクイーン親子は山火事にまきこまれ、やっとのことで山頂にある屋敷に辿り着く。
 そこで不気味な一夜を過ごしたが、翌日、なんと屋敷の主人のザヴィヤー博士が射殺体で発見された! 
 しかし、状況はそれどころではなくなり、山火事はドンドン広がりとうとう食料品も底をつき屋敷からも森の向こうに炎が見え始める。


 山火事の描写が素晴らしい。クイーン親子も最初のうちは、麓の人が山火事を消し止めるまで山頂の屋敷で足止めか、なんてのんびりかまえていたが、一向に火が消える気配が無い。
 空一面に灰が漂い、肌を汚し衣服を汚し、呼吸するのも苦痛になる。暑さは耐えがたいが、逃げ出したくても逃げ場が無い。


 そう、殺人事件で1人や2人が死んだって一体それがなんだ!! こっちは生きたまま焼死体になっていくんだ、その恐怖に比べたら…と、開き直りたくなるようなストーリー。
 だいたい、死に瀕した人間がトランプを半分に引きちぎれるだろうか? トランプは結構かたい。引き裂くには指先の力が相当いるよ。


 推理小説としてはイマイチですが、サスペンスとしては面白い。

 これで国名シリーズ読んでいないのは「チャイナオレンジの秘密」だけとなった。よし!!ファイト。

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2 コメント

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たかさんへ (kei)
2015-09-30 14:31:59
 コメントとTB、ありがとうございました。
 そうですよねぇ…。ダイイング・メッセージって、どうとでも解釈できるものが多いですよね。
 こんなので、犯人にされたら、たまったものじゃないです。
 コナンもアニメの中で、言ってました。
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Unknown (たか@ヒゲ眼鏡)
2015-09-29 11:47:18
TBありがとうございましたー。こちらからもさせて頂きました。
そうそう、ダイイング・メッセージ物って大体無理がありますよね(^^;。ボクは引裂かれたトランプから利き手を推理するところにかなり違和感がありました。
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