ケイの読書日記

個人が書く書評

佐野洋子 「ふつうがえらい」

2016-07-02 10:55:52 | 佐野洋子
 前回のブログ更新から、すごく間隔が開いてしまって申し訳ないです。
 自分のめまいが良い方向に向かいつつあるので喜んでいたら、実家の母が腰を圧迫骨折して入院。あああ、人生色々あります。病院と自宅と実家を、あたふた駆け回っています。こう忙しいと「お菓子を食べながら本を読む」生活がいかに贅沢だったかという事が、よくわかりますね。

 更新の間隔が開くとは思いますが、これからも続けていきますので、皆さん、見捨てないで遊びに来てくださいね。


 さて、佐野洋子の本業は絵本作家だが、エッセイストとしても有名で、あちこちに書き散らかした雑文(失礼!)を1冊にまとめたのが、このエッセイ集。本業で無い無責任さからか、本当に面白い。それに売れている。この文庫は、平成7年3月発行だが、平成19年3月で13刷。すごいなぁ。

 どのエッセイも楽しいが、印象に残ったのは『グラント・キャニオン』というエッセイ。その中で佐野洋子は、「名所・旧跡・名画などというものを実際に目の前にすると(中略)たいがいは、私が勝手に想像しているよりもみすぼらしい。(中略)モナリザもミロのヴィーナスも『へぇ、こういうもんだったの、ふーん』と、どっと感激できないのである。(中略)感激しない自分が恥ずかしいと、やたら気持ちが忙しいのである。」と書いてある。
 佐野洋子でもそうなのか!と私は少し安心する。
 以前、益田ミリの自伝的エッセイで、ミリが高校生の時、ゴッホの『ひまわり』を観て美大に行こうと決めた、と書いてあった。美大に進もうという人は、皆こういった原体験を持っているのかと驚いたことがある。

 私は、世界的な名画を観ても感動しない自分がいると、やっぱり私って芸術的感性が低いんだなと少し悲しくなったが、佐野洋子でも、そういう事あるんだ、と知ると少し救われた気になります。
 地元の美術館で見た『草間弥生』? 世界的に有名な芸術家らしいが…わからないです。どこがいいのか。

 そうだなぁ、私は歌川国芳の猫の浮世絵だったら、魂を揺さぶられますね。

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