今週も、法事などで外出が多く、なかなか読めない。で、芥川龍之介のキリシタン物の短編を読む。
織田信長の信任を受けた、イエズス会の宣教師・オルガンティノが、ある春の夕べ、南蛮寺を散策している。
このオルガンティノという人は、1570年来日した宣教師で、仏教の坊主が大嫌いな信長に取り入り、キリスト教の勢力をどんどん拡大。安土に神学校。京都に教会(南蛮寺)を設立。信徒さんを何万人も抱えるようになった。
神の教えを広めるという、自分の願いがかなっていくのに、どうもオルガンティノはすっきりしない。この日本から出ていきたくなる。それは何故だろうと自問自答していると…。
日本の土着の神or霊が現れ、オルガンティノに古事記に記されている、天の岩戸伝説の幻をみせる。
そして、オルガンティノが信仰する全能の神といえども、我々、日本土着の霊には勝てない。なぜなら、日本土着の霊には、破壊する力ではなく造り変える力があるから、と言う。だって、日本には八百万もの神がいるんだよ。
なるほどね。理解できるような気がする。
大昔、イエズス会の宣教師があんなにも情熱を持って布教にやってきたのに、今、クリスチャンって国民の何%? 江戸時代、禁教になったからだけじゃない。
仏教だって、今は、葬式仏教。
それなのに、伊勢神宮や出雲大社は、しぶとく賑わっているものね。そうだ、富士山も山岳信仰の対象なんだ。
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