「黒死館殺人事件」のスケールを一回り小さくしたという感じの作品。
もちろん「黒死館―」ほどのページ数はないし「黒死館―」ほど衒学趣味は強くないので、ちょっぴり読みやすいが、やはり最初から最後まで小栗虫太郎です。
193x年、南支那の湖南の西端にある異人館で奇妙な事件が起こる。
売笑婦くずれの女の部屋から狂ったような笑い声がおこり、彼女一人しかいないはずなのに男の忍び笑いがする。女の笑い声が不意にやんだので、不思議に思い部屋に入ってみると、男はおらず彼女は死体となっていた。
死因は自然死を目的にした他殺。
しかし、部屋の扉の前には4人の男がマージャンをしていたし、窓の外には見張りの者がいた。つまり完全な密室。
トリックは、現実には不可能だろうが、なかなか独創的。
色んな医学用語や薬品名が飛び交っているが、これって本当だろうか? ちょっと信憑性が低いような…。
戦前の作品なので、固有名詞が非常にわかりにくいし、その時代の中国南部の政治状況がどうなっているのかも、私にはサッパリわからない。
なにしろ、探偵役のザロフという男はウズベクユダヤ人らしいのだが、モスクワ大学を出て秘密警察に入り「プラウダ」誌幹部毒殺事件を解決したらしい。
つまりソ連の人なんだが、どうして中国南部にいるの? 中国南部を共産化しようということなんだろうか? でも中国には毛沢東がいただろうし…。
「黒死館―」の時も感じたが、どうして注釈をつけないんだろうか? 注釈ばかりになってしまうから? いいじゃない。ヴァン・ダインもそうです。
もちろん「黒死館―」ほどのページ数はないし「黒死館―」ほど衒学趣味は強くないので、ちょっぴり読みやすいが、やはり最初から最後まで小栗虫太郎です。
193x年、南支那の湖南の西端にある異人館で奇妙な事件が起こる。
売笑婦くずれの女の部屋から狂ったような笑い声がおこり、彼女一人しかいないはずなのに男の忍び笑いがする。女の笑い声が不意にやんだので、不思議に思い部屋に入ってみると、男はおらず彼女は死体となっていた。
死因は自然死を目的にした他殺。
しかし、部屋の扉の前には4人の男がマージャンをしていたし、窓の外には見張りの者がいた。つまり完全な密室。
トリックは、現実には不可能だろうが、なかなか独創的。
色んな医学用語や薬品名が飛び交っているが、これって本当だろうか? ちょっと信憑性が低いような…。
戦前の作品なので、固有名詞が非常にわかりにくいし、その時代の中国南部の政治状況がどうなっているのかも、私にはサッパリわからない。
なにしろ、探偵役のザロフという男はウズベクユダヤ人らしいのだが、モスクワ大学を出て秘密警察に入り「プラウダ」誌幹部毒殺事件を解決したらしい。
つまりソ連の人なんだが、どうして中国南部にいるの? 中国南部を共産化しようということなんだろうか? でも中国には毛沢東がいただろうし…。
「黒死館―」の時も感じたが、どうして注釈をつけないんだろうか? 注釈ばかりになってしまうから? いいじゃない。ヴァン・ダインもそうです。
しかし、日本人が全く出て来ないのも珍しいですよね"(^^;"。
この作品、横溝正史が急病で原稿を落としたため、急遽代りに載せられたそうですね。
抹殺すべき劣悪な遺伝子を持つ家系、というのはユダヤ人虐殺を思い出させますね。
音楽家の家系があるのですから、犯罪者の家系があっても不思議はないですが…。