ケイの読書日記

個人が書く書評

細川貂々「その後のツレがうつになりまして」

2008-04-03 11:57:41 | Weblog
 前作の『ツレがうつになりまして』の最後で、ご主人は「少しずつ上を向いて歩こう」「ありのままを受け入れる」という心境に達し、明るい未来が見えてきた所で終わっていた。
 しかし、うつ病が完治したわけではなく、その後の展開が心配だったのだ。それで、その後の事が知りたくて読んでみた。

 結論から言うと、だんな様の症状はとても良好。もう薬も飲んでいないらしい。今は、貂々さんのマンガのマネジメント会社を経営している。

 「夫婦でうつの事を話してくれ」という講演会の依頼もあるらしい。貂々さんは、最初大丈夫かなぁと心配だったけど、だんな様はしっかりレジュメも作成し、講演会ではギャグも交えて、1時間半の講演をほとんど一人でやり遂げた。すごいなぁ。
 数年前までは、電話に出る事もビクビクしてできなかった人が…ですよ。
 1時間半人前で話す事ができる人って、素晴らしいと思う。尊敬します。

 もともと、このだんな様はすごく優秀な人なんだろう。それが勤めている会社の業績が悪化し、人がどんどんリストラされて仕事量がべらぼうに増え、うつ病を発症。会社も辞めざるをえなくなった。

 本来なら、うつ病の人は会社を辞めたりといった大きな変化を与えてはいけないらしい。でも1年くらいの休職ではなかなか良くならないみたい。
 そうだよね。復職しなければ、もうすぐ復職だ、なんて考えるのは、すごいプレッシャーだと思う。

 私が以前読んだ『ダンナがうつで死んじゃった』という本でも、ダンナさんは2年の休職期間がもうすぐ切れる、という時に自殺している。
 なんとか生活していけるんだったら、スパッと辞めて日照時間が長く生活費が安く済む南の島へ移住するのもいいかも。

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