ケイの読書日記

個人が書く書評

ロード・ダンセイニ「二壜の調味料」

2010-04-09 11:18:20 | Weblog
 表題作『二壜の調味料』を読んで、ちょっと感動した! 
 小学校の高学年の頃読んだ雑誌に、世界の傑作トリックを集めた読み物付録が付いていて、その中にこの気持ち悪いトリックが紹介されていたのだ!!

 私が長年探し求めていたトリックがこんな所にあったのね!と、しばし感慨にふけりました。

 ブラウン神父の有名なトリック「木の葉を隠すのは森の中」も、オリエント急行の有名なトリックも、皆この付録に載っていて、すごく印象深かったので、原作とバッタリ出会った時は嬉しかったなぁ。

 さて、この「二壜の調味料」はとても有名な作品のようだ。すごく短いのですぐ読める。後味の悪さは強烈で、一度読んだら忘れる事ができない。
 しかし…たかだか200ポンドのために、犯人はそこまでやるか!?とも思う。証拠を隠滅し終わった犯人はすでに精神的には廃人だろう。

 他には『新しい名人』ちょっとSFチック。『演説』イギリスの貴族には、そんな制約があたのか。『アテーナーの楯』ミステリとファンタジーの融合…が面白い。

 
コメント (2)
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群ようこ「本は鞄をとびだして」

2010-04-04 18:15:38 | Weblog
 前回の「本を鞄につめこんで」は、日本の小説の書評エッセイだったが、これは外国の小説。こっちの方がより面白いようなきがする。

 20作品紹介されていて、その中で私が読んでいたのは『風と共に去りぬ』その1冊だけ。あと、ヘミングウェイの『キリマンジャロの雪』は題名だけ知っていた。(吉田秋生の『バナナフィッシュ』に出てくる)

 しかし、その唯一の一冊『風と共に去りぬ』を群さんはあまりお好きじゃないらしい。恋愛大河ドラマは苦手との事。
 うーん、どうしてかなぁ。私は本当に素晴らしい小説だと思うけど。
 映画を見て、これは原作を読まなければ!と思い読んだが、一気に読んでしまった。レッド・バトラーの魅力的なこと!!
 すべての人間が好きだろうと思っていたら、よりによって読書家で有名な群さんが苦手とは…。とても意外でした。

 その他、この本は絶対読まなくっちゃと思うのがナイジェリアのチュツオーラ『やし酒飲み』まるで水木しげるの妖怪だらけの世界。なんだこれは
 身体の各部分をその所有者たちから借り集め、立派な紳士になった不気味な生物。これはナイジェリアの民話から題材を取ったらしいが、こんな民話があちこちに転がっているんだろうか? ナイジェリアというところは! 是非読みたい。
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