前回のブログを書いていて
以前、母親に連れられて施療に来た
一人の男性のことを思いだしました。
その男性の年齢は27歳位だったかと記憶しています。
何でも、男性の父親が亡くなられてから
その男性に父親の霊が憑依するとのことでした。
それまで除霊も何度か
してもらったそうなのですが
状態が改善することなく
私どもの所に相談に来たようです。
私は除霊の方法なんて知るはずもなく
その現象が心霊現象であろうと
心理的な問題として扱うしかありません。
つまり、多重人格と同じ考えで
分離した人格を何とか統合するために
如何に働きかけるかです。
一通り男性から話を聞き、
催眠誘導を行ったところ、
ある程度催眠状態に入った時に
こちらが何も誘導した訳ではありませんが
男性の父親が現れました。
声も、話し方も、表情も、
それまでのそれとは全く違っているのを
まの当たり見せられた時に
心霊スポット何て怖くて絶対に嫌な私なんですが、
怖さは全く感じることはなく
人間ってすごいなあと思ったのを覚えています。
私
「あなたは誰なんですか。」
男性
「○○の父親だ。」
私
「何故、こんなことをするんですか。」
男性
「○○のことが心配で見守るためだ。」
私
「○○君のことを苦しめるためではなく
見守るためだと言うのですか。」
男性
「そうだ。」
ここから私が攻勢に出ます。
私
「見守るためだって、ふざけたことを言うんじゃない!
○○君は、苦しんでいるじゃないか。
本当のことを言いなさい。
苦しめるためだと言ってみろ!」
男性
「何を言っている。そんなつもりはない。」
私
「どんな言いようをしようが、
○○君は気持ち良くなっているか。
気持ちが穏やかになっているか。
苦しんでいるじゃないか。
苦しんでいることを知っているはずだ。
知らなかったとは、絶対に言わせないぞ!」
男性
「………。」
私
「これからも苦しめるつもりなのか。」
男性
「いや、苦しめたくはない。」
私
「じゃあ、どうするの。」
男性
「もう、こんなことを止めようと思う。」
私
「今言ったことに嘘はないか。」
男性
「約束をするよ。
ただ、心配だし、寂しいので
一年に一回位は、お酒を持ってお墓参りに来てもらいたい。」
私
「○○君がそうしたらもう出てくることを止める。
それでいいか。」
男性
「約束する。」
私
「分かりました。○○君に私からちゃんと伝えます。」
男性
「頼む。」
頼むと言った後、声も、話し方も
27歳の男性に戻りました。
その後、対人緊張の施療を続けましたが、
その間、父親が出てくることは
ありませんでした。
この男性の現象が、
心霊的なものだったとしても
多重人格的なものだったとしても
私の感覚では、短い施療で
ハッキリとした違いを見て取れることは
難しいと思われるので
この男性の場合は、
上手く行き過ぎたと思えるほどの結果となりました。
催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計