心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

我を忘れる

2021年06月12日 | 雑感・愚見

 

1996年 アメリカのウエストバージニア州のトロイシ判事は、

保釈要求を却下した際に被告に罵られたことで逆上!

判事席から被告に飛びつき鼻に噛みつきました。

 

 

試合中にマイクタイソンが対戦相手のホリフィールドの耳を噛んで

18ヶ月の謹慎処分を受けたのが20数年前のこと、

同じような時期に同じようなことが法廷で勃発していたとはね。

鼻に噛みついた判事も18ヶ月の謹慎処分を受けたのでしょうか。

 

普通、裁判所の品位や秩序を乱す行為については

判事が刑務官に命じて被告を制止、

または退廷させるところのはずですが、

 

被告の罵りがよっぽど芯を食ったにしても

自ら被告に飛び掛かって組み伏せるでもなく

殴りつけるでもなく鼻に噛みついた。

 

判事も人間なので感情的になることもあるとは思いますが、

弁護士よりも検事よりも、刑罰の最終決定を下す判事は

感情的になっては一番ダメな立場にあると思うのです。

せめて口撃には口撃で返えさないとね。

 

 

日本には言葉には霊的な力が宿っていて

声に出した言葉が現実に対して影響を与えると言う考えがありますが、

物理的な攻撃ではない言葉そのものには、

本来は、何の力もありません。

 

誰かや自分が発した言葉に命(影響力)を宿すためには

その人が言葉の意味を心で受け取ることが必要で、

もっと言うなら言葉そのものよりも

発せられた言葉の調子の方が大きな影響力を与えます。

 

「クソ野郎!」と言われてたとしても

それを発した相手が理解できない言語で

満面の笑みを浮かべていたら気分を害することは困難です。

 

そして、言葉の意味を理解できたとしても

私達は誰かが自分に向けた言葉にコロコロと容易く

影響力を受けてしまうような脆弱な存在でもありません。

 

「誰かに素晴らしく頭が良いね。」と言われると

突然、IQが高くなったり知識量が増えたりすることもないし、

「お前、頭が悪いね。」と言われると

突然、IQが低くなったり知識が消え去ることがないのと同じです。

 

自分が自分に向けて発する言葉や

誰かが自分に向けて発する言葉は、

言葉を発したその人のその時のものの見方や気持ちを

表しているだけにすぎず

自分そのものを露わにしているとは限りませんし、

そうでないことの方が殆どです。

 

判事に向けた被告の言葉が

余程の巧な言葉遣いで罵ったのか分かりませんが、

どんな言葉を使っていようと被告が発した気持ちは、

保釈を認めろでしかないし、

 

自分の気持ち通りに動かなかった人間への怒りですし、

その怒りには、周りの人間は自分の望む通りの行動をするべきだの

尊大な気持ちが含まれていることを思えば

真面に相手するのがバカらしく思えます。

 

なので被告がどのような言葉を使ったとしても全ての言葉は、

「保釈を認めろ!」と「怒っているぞ!」であって

罵りの言葉は、どんな言葉を使用したとしても

「お前の母ちゃんデベソ。」と大した違いはありません。

 

鼻に噛みついた判事は、まんまと被告の狙い通りに

罵りの言葉を真に受けて心にヒットさせられたことになりますし、

それによって謹慎処分を受けたとするなら

その代償は大きなものになったようです。

 

そして、

判事の処分を知った被告がほくそ笑んでいたとするなら

鼻に噛みついた暴挙以上に、被告に手玉に取られたことについて

大反省をして欲しいものです。

 

これらの原理は、私達の日常においても同じではあるのですが、

完璧に発せられた言葉を処理することは簡単ではありませんが、

真面に心に命中させられないようには出来るかと思います。

 

そして、誰かの言葉や態度によって大きく落ち込んだり、

激しく怒りを感じたりしてストレスを抱えたり、

それによって判事の様な宜しくない行動へと

繋がらないようにしたいものです。

 

 

催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計



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