日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「人の豊かさ、国の豊かさ」-人間開発報告書-

2005-09-08 19:09:37 | アラカルト
朝日新聞のWEBサイト等に、「人間の豊かさ」指数、日本はベスト10から転落という記事が掲載されている。
実際のデータはPDFファイルの40頁にもなる、膨大なデータなので改めて紹介はしませんが、この記事を見て何か感じませんか?

日本が1位だった頃は、バブルの頃で「経済イケイケ」という時代でした。
その後、バブルが崩壊し経済という部分で力を失いはじめたとたん、順位を下げる結果となっているのです。
ということは、日本という国の評価は「経済でもっていたのか?」ということです。
この記事で指摘してある通り、日本の企業は様々な「社員教育」というモノを実施しています。
でも、それは遠い昔の話のような気がするのです。
バブルが崩壊し、企業が最初にカットした歳出項目は「(福利)厚生、(社員)教育、(接待)交際」の「3K」と言われました。
技術・研究職の社員への教育というのは、今でも積極的なのかも知れませんが、新人教育に力を余り入れなくなったように思います。
事務系職といいますか、私がやっているマーケティングなども、様々な専門書を自分で買い込み、勉強していたというのが、実態でした。
もちろん、企業からの補助などもありません。
まぁ・・・勉強をする必要も無く、前例主義的に仕事を進めるだけで、コトが運ぶ時代が長かったというのも事実ではありますが・・・。
そういった経験があると、社会人になっても、いつでも大学や大学院へリターンできる社会システムは、羨ましいと感じていました。今でも感じています。

そして、いつものコトながら日本の社会は「男性中心」であるということが、この調査でも明らかになりました。
それも、殆ど進歩が見られない。
会社員時代感じていた「ガラスの天井」というのは、今でも変わっていないのです。
私自身は、出世欲などがあるわけではなかったのですが、それでも評価という点では「ジェンダーの壁」というモノを常に感じていました。
女性に対する社会的役割=出産・子育ては、企業や社会にとってとても重要なはずなのに、女性の多くは「諦めるのか否か」という選択ばかりを、迫られてきました。
女性が、男性と同じ土俵で仕事をし、男性よりも評価を受けるということが、「男の沽券に関わる」のでしょうか?
それは、「男・女」という問題ではなく「個人」の問題であるべきことでは?
どうも、その点では日本の社会は「個人を大切にしていない社会」という気がします。

「個人の豊かさが集まって、国の豊かさへとなっていく」その結果が、この調査報告から読み取れるのでは?