日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

子育てと老後

2006-05-06 23:13:45 | アラカルト
昨日の「泥仕合の様相-阪神VS村上ファンド」にコメントを下さった、カミナリ弟さん。お久しぶりです。コメントありがとうございました。
「投資ジャーナル事件」も「ホテルニュージャパン火災」も25年くらい前の出来事でしたね。
景気もなんとなく混沌としていて、「儲け話」に多くの人が大切なお金を失う事件が多かったように記憶しています。

「ホテルニュージャパン火災」は、とてもショッキングな映像でした。
巨大ホテルが、暗闇に炎をあげ黒い煙に人が煽られ、次々と落下していく姿・・・。
外見が立派でも、中身が空っぽと言う利益至上主義のホテルと言う実態がわかったのは、それから間もなくのことでした。
「ホテル」は、「ホスピタリティー」から派生した言葉。
その「ホスピタリティー」を蔑ろにした結果が、あの大惨事だったのです。
だいぶ経ってから、「ホテルニュージャパン」の跡を見ましたが、その瓦礫は「強欲の夢の跡」のような虚しさと怖さがありました。
その翌日に起きた、日航機羽田空港着陸失敗事故なども、社会的に様々な問題点を提議したとは思いましたが、ある意味「お金儲け≠企業利益」を言うことが突きつけられた最初だったかも知れません。

拙ブログで時々取り上げさせてもらう毎日新聞の「発信箱」
様々な担当記者が、署名入りで書くコラムだ。
今回は、「子供の日」をテーマに書かれていたのだが、今の日本人の生活において「お金」が大きな尺度となっているような気がしてきた。

「子供が欲しい」と思わない理由のひとつとして、「教育費にお金がかかる」といわれている。
「給食費などが払えず、援助を受ける家庭が年々増えている」と言う調査がある反面、「自分が理想とする教育を子供に受けさせるには、お金がかかりすぎる」という意見もある。
「格差社会の結果」と言ってしまえばそれまでなのだが、それほど簡単な理由ではないような気がするのだ。
まず、給食費などが払えない家庭の多くは、母子家庭だという。
フルタイムの正社員として働くことが出来ず、経済的に不安定な家庭である。
ところが「理想の教育」を求める家庭は、「お受験」等に奔走し学習塾だけではなく、様々なお稽古事をさせることができる家庭が多いのだ。
今年開校した、愛知県下の財界が作った全寮制男子中高一貫校は年間300万の費用が掛かる。それでも希望する親御さんは多く、東京や名古屋など各地で行われた入試に複数回受験した小学生もいたようだ。
このような人達が、「子育てに費用がかかりすぎる」と答えているようなのだ。

その思考は、老後にまで発展する。
年金生活となったときも「お金がかかる」と言っても、「生活が苦しい」と言う場合もあれば「年に1回くらい海外旅行にいけるだけの余裕のある生活をするためには、お金がかかる」ということなのだ。
「子育ても老後もお金次第」という生活思考が一般化しているとすれば、案外村上ファンドのように「お金儲けのどこが悪い!」という開き直り思考も支持をされるのかも知れない。
それが、日本の将来にプラスになるかどうかは、別にして。