日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

食品会社の再出発2題-不二家と赤福-

2008-02-08 18:03:20 | CMウォッチ
今週、テレビを見ながら「オヤ!」と思うCMがあった。
それが、不二家の「ミルキー」(残念ながら、「ミルキー」のCMはHPで公開されていないようです)と「カントリーマアム」のCMだ。
「ミルキー」は、不二家にとって「看板商品」であり、企業理念を象徴する商品でもある。
「ミルキーは、ママの味」というキャッチコピーが、不二家の企業理念でありその発展したカタチの商品が「カントリーマアム」だ。

「カントリーマアム」が発売された頃、「アメリカのグランマ(おばあちゃん)、マム(おかあさん)が作る、ホームメイドクッキー」というのがキャッチコピーだった。
そして、一連の偽装問題発覚から(ほぼ)1年経過し、不二家の看板商品である「ミルキー」と、その商品コンセプトを発展させた「カントリーマアム」のCMを再開させたのである。
その背景にあるのは、おそらく「禊が終わった」という判断と、新しい不二家をアピールするためだろう。
事実、ミルキーのCMは「ミルキーはママの味」といいながら、現代風になり「母子」というよりも「おやつの楽しさ」を積極的に打ち出し、「幼児における食育」というアプローチのほうが強い印象がある。

もう一つ、事業を再開したのが「赤福」だ。
昨年秋発覚した、売れ残り商品の使いまわしや、賞味期限の偽装などで営業停止をしていたのだが、今週水曜日から営業を再開した。
昨日も午後3時前には、本店・直営店3店舗とも完売したようだが、それよりビックリしたのが、再開初日に「赤福」をケース買いしている人が多かったことだ。
テレビニュースなどを見ながら「そんなに食べるの?」と、不思議に思っていたのだが、案の定、程なくネットオークションされていたようだ。
ケース買いをした人の多くは、ネットオークションで売りさばくのが目的だったのだろう。
だが、そんなモノまでネットオークションで儲けようという発想が、悲しい。
元々、お伊勢さんのお膝元で参拝客のご休憩喫茶として発展してきた「赤福」だ。
やはり「お伊勢さん」があるからこその「赤福」であるはずなのだ。
それを「話題性」だけで、朝早く(一番乗りの方は前日から並んでいたそうだ)から並ぶというのは、どこか違和感がある。

不二家が再開したときに「やっと、懐かしいケーキが食べられる」とインタビューに答えていた、親子(母子)の姿に見た「懐かしさの中にある親しみ」というモノが感じられなかったのだ。
もちろん、ネットオークションで売り飛ばす目的ではなく、「赤福」そのものに懐かしさと親しみを持って、営業再開を楽しみにしていた方のほうが多かった、と思いたい。