日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

地方の地盤沈下-道路で経済が変わるのか-

2008-02-21 20:40:05 | ビジネス
法事のために、実家のある鳥取県(米子市)に帰っていた。
駅前の寂しさは、年々酷くなるばかり。
経済の地盤沈下は、とどまることを知らないように思えた。

今年に入ってから「道路特定財源」=暫定税率が、政争の具だけではなく地方を巻き込んでの問題となってきている。
その背景にあるのは、「道路特定財源」が地方の道路建設には必要で、道路建設が地方経済の活性化に繋がるからだと考えられているからだ。

だが、本当にそうなのだろうか?
そんな疑問が、ふつふつと湧いてきたのだ。
というのも、米子市には、中国自動車道から続く米子道という高速道路が整備されている。
大阪~米子までの所要時間は、3時間余りだ。
確かに、米子インター側にはシャープの工場が誘致されたりもしているのだが、まち全体の活気には結びついていないように感じるのだ。

交通の利便性は、経済基盤の一つではあるのだがそれが総てではない。
それがまるで「道があれば、地方は活性化できる」ような、論議がされているように思えるのだ。
もちろん「道は経済活性化のツールの一つでしかない」という、考えをお持ちの首長さん達もいるだろう。
それが、これまでの様々な場所での論議の中では、聞こえてきていないような気がするのだ。

これまでの拙ブログでは「道を作るのなら、都市部から地方へ行く道でなくては意味が無い」と言ってきているのは、実家に帰ったときによく聞く「東京(に象徴される都市部)にモノを売らなくては、地方経済は成り立たない」的な発想だけでは、地方経済は都市部に吸収されるだけで、疲弊してしまうと考えるからだ。
何も日本全国がミニ東京化する必要は無いし、東京(=都市部)に無いモノ・コトを地方は大切に育てていく事で、特化し地方へ都市部のモノを呼び寄せることができるのではないだろうか?と、考えるのもそのためだ。
それは、最近流行りの「団塊世代の田舎暮し」というような提案ではなく、もっと地域全体
が大きくなっていくための「地方独自色」というか、一つの独立した経済政策というような発想が必要なのではないか?という事なのだ。

尊大で荒唐無稽な話だとは思うのだが、そのくらいの発想力が必要なのではないのかという事なのだ。
「道を作る」ということは、経済政策として過去には有効な方法だったのかもしれない。
しかしながら、それは継続的な地方経済の基盤となっているといえないと思うのだ。