日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

中国製餃子事件で変わったこと

2008-02-23 22:33:59 | アラカルト
今日久しぶりに、大手スーパーめぐりをしてきた。
久しぶりといっても、実家に帰っていた1週間ほどのご無沙汰だったのだが、やはり冷凍食品売場の様子が変わってきていた。

大手スーパーめぐりといっても、ダイエーとイオン系列のスーパーの2店舗なのだが、そのどちらもが「PB(プライベートブランド)」と呼ばれる、オリジナル商品を販売している。
今回の中国製の農薬混入餃子他の商品は、生協ブランドの商品が中心だった。
その意味で、生協ブランド=プライベートブランドだったとも言える。
本当は、JTからのOEM商品だったのだ。
そんな事もあるのだろうか?今回の事件を受けPB商品に力を入れてきていた大手スーパーが、生活生活者からの安心・信頼を得るために様々な工夫を店頭でするようになってきているのだ。
 
その一例が、PB食品の製造工場の表示だ。
特に餃子などの加工冷凍食品については、その表示が大きくされている。
海外生産などは無い。
総て国内にある、加工工場での生産だ。
その表示があるだけでも、生活者の反応は素早い。
もちろん、PB商品の価格がメーカー商品(ゼネラルブランド商品)に比べ、お値打ちという事もある。
でも、それだけではないはずだ。

今回の事件が発覚した直後、スーパーで買い物をする若いカップルがチルド食品売場で「冷凍モノは怖いけど、チルドなら大丈夫だよね」という会話をしながら、買い物をしていた。
それだけ、今回の事件に対して様々生活者層に対して与えた影響は、大きかったのだ。

もう一つ、今回の事件の被害者は問題の餃子を購入し、健康被害を受けた人たちだけではなく、何も知らずに販売をした生協やJTフーズなども含まれるはずなのだが、生協やJTフーズに対してとても厳しい見方をされている。
それは、販売者や輸入元としての責任があるからだろう。
事件が起きた時には被害者であったのだが、その後の対応の遅れが、問題となっているのだ。
「(食品を扱う企業・団体として)やるべきことを、キチンとやる」という、問題意識のなさが、問われているのだ。

生協で扱っている食品の多くは、指定工場などで独自に作られているモノではなく、ゼネラルブランド商品のパッケージ変えで行われているOEM商品だという事は、一部では既に知られていたことだった。
だが、「生協」という団体が生まれ・活動理念としてきたコトが、「生協ブランド」=安心・安全というイメージを作りあげていたのだ。
そのための努力は、生協組合員そのものが作りあげてきたモノでもある。
だからこそ、今回の事件で生協が失ったモノは余りにも大きい。

大手スーパーでのPB商品の表示には、生活者への信頼を得るためのささやかな方法のように思えるが、その効果は思いのほか大きいのだ。