日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

女性の意識変化の現れ-主婦の友休刊-

2008-02-14 19:27:34 | ライフスタイル
昨日、「主婦の友」の休刊がテレビなどのニュースで報道された。
「主婦の友」以外の主婦向け月刊誌は既に休刊・廃刊に追い込まれている。
最後の主婦向け月刊誌だった、といっても良いかもしれない。 

主婦向け月刊誌といって思い出すのは、新春号につく付録の「家計簿」だ。
母が健在だった頃、普段は主婦向け月刊誌などを買わない母が、毎年のように買っていた。
といっても家計簿をつけるのは、1月くらいまででそれから後は「・・・」だった。
この新春号は、1年のうちで一番売上が高いということもあり、各雑誌とも力が入っていたように思う。

このような主婦向け月刊誌が、次々と休刊・廃刊されていった背景には「専業主婦」が減ったということもあるように思う。
「専業主婦が減った」というより、「主婦のライフスタイルの変化」というほうが良いのかもしれない。
3〇年ほど前の平均的主婦像というのは、「家庭で家事をシッカリし、子供のおやつを手作りし、夕方になれば近くの商店街や生鮮スーパーなどで夕飯の買い物、もちろん出来合いのお惣菜には頼らない、手作りメニューが食卓に並ぶ」という、まるでお年を召した国会議員の方々が「平均的」だと今でも思い込んでいそうな、主婦像だ。
拙ブログにこられる方の多くは、このような主婦生活を知っている方はまずいらっしゃらないだろう。
パートに出ている、幼稚園などのママ友と一緒に時々ランチ、アートフラワーなど自分のお稽古事と子供のお稽古事に熱心な主婦など、主婦の生活そのものが「平均的」という括りができなくなっている。
何より、主婦そのものが「家庭も大事だけど、自分も大事」、「自分が輝いていないと、家庭も楽しくない」という、生活指向に変化している。
「主婦の友」の休刊の背景には、そのような女性の生活意識変化があるのだ。

だが、創刊以来一貫してスタイルを守っている「主婦向け雑誌」がある。
それが、「暮しの手帖」だ。
さすがに表紙は、大分変わったのだが「生活者の視点に立つ」という創刊当時の理念は、変わってはいない。
「暮しの手帖」と「主婦の友」の大きな違いはどこにあったのだろう、と考えると、男性読者を取り込むというコトのような気がする。
もう一つは、時代が「暮しの手帖」を求め始めたということだ。

現在の4世紀になってから「暮しの手帖」の中心であった、「商品テスト」はなくなってしまったが、創刊当時からある「美しい生活の提案」は、随所に見られる。
その「美しい生活の提案」が、スローライフ的な提案のようになってきている。
それにしても、現在発売されている「暮しの手帖」に取り上げられている「雑誌と広告」とは、なんとも皮肉な事か・・・。

ここでお知らせです。
明日から暫く、帰省のため更新できません。
来週末から再開予定です。
今後ともよろしくお願いします。