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日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ソニーと田んぼ

2008-08-08 21:59:23 | アラカルト
先日、目にしたコラムにとても興味深い内容があった。
それがソニーの環境広告についてだった。

今年の作況指数予測が先日発表され、米価が下がるのではないかと言う予測がされていた。
個人的には、先日あった「宮城・岩手内陸大地震」や今月に入ってからの関東方面なのでのゲリラ豪雨などの影響を考えると、果たして予測通りなのか疑問なところがないわけではないのだが、政府の「補助金農政」を考えれば、再び減反農政と言うことになるのではないだろうか?
ちょうどそんな時、この「ソニーの環境広告」についてのコラムを読んだのだった。

改めてこの広告を見てみると、水田がもたらす様々なプラス効果というものを考えさせられる。
単なる「お米を作る場所」と言う考えでは、このようなコトは無理だろう。
と同時に、先人たちの知恵と言うモノにも驚かされる。
それだけではなく、ソニーが環境企業として他社とはまったく違うアプローチをし、新しいモノ創りを始めているようにも感じたのだ。
それが「モノ創り」の新しいカタチのような気がするのだ。

これまでの「モノ創り」と言うのは、工業化という括りの中で考えられ、工業と呼ばれる産業は、自然とまったく切り離されたモノだと考えられていた。
実際、工業地帯と呼ばれるところには「自然豊かな環境」と言う場所は、まず考えられなかった。
重化学工業などが中心であったと言うコトもあるのだが、自然と共存する工業地帯という発想は、なかったのではないだろうか?

それが、むしろこれからは日本が得意とする工業分野は、減反により打ち捨てられた田んぼを再生しながら、豊かな田園地帯でモノ創りをしていくのではないだろうか?と、予感させるのである。

もう一つ、この取り組みには大きな意味があるような気がする。
それは高齢化により、過疎化が急激に進みつつあるような地域こそ、このような工場建設に向いていると言う点だ。
これまで「工業団地」と呼ばれる場所は、物流面などが中心で考えられてきた。
しかし、豊かな自然(この場合は地下水)がある場所となると、単なる物流面だけでは意味がない。
その点でも、工場があることで雇用と言う問題=高齢者・過疎地域からの脱却ができるかも知れないのだ。

ソニーのような取り組みが、すべての企業にできるわけではない。
しかし、このような取り組みが、新しい企業のあり方を示しているような気がするのだ。
「自然に寄り添うモノ創り」と言う、いかにも日本的発想が日本の農業をも変えるかもしれない。
そんな様々な期待を持たせる、「ソニーの田んぼ」だ。