日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

競合商品との違いを考える

2012-02-05 14:10:41 | マーケティング
昨日のエントリ「CMだからといって、見逃せないこと」を書きながら(正しくは、キーを打ちながら)考えていたことがある。
この「フォション オテマエドパリ抹茶」と競合する商品は何だろう?と言うことだ。
思い浮かんだのは、昨年発売されたサントリーの「伊右衛門 GreenEspresso」だった。

ご存知の通り、サントリーの「伊右衛門GreenEspresso」も、抹茶を使っている。
ただ、こちらは「かぶせ茶」から淹れたお茶に抹茶を加えていると言う点。
一方アサヒ飲料の「フォション オテマエドパリ抹茶」は、抹茶のみを使用しているという違いがある。
いわゆる「茶道」でいただくお茶に近いのは、アサヒ飲料の「オテマエドパリ抹茶」と言うことになる。
だからこそテレビCMでは、わざわざ茶せんでお茶を点てている映像を、トップに持ってきているのだと思う。
その後の内容については、「・・・・???」であると言うのは、昨日エントリしたとおりである。

そこで疑問に思ったのは、何故「フォション」と言う名前を使ったのか?と言うことだ。
サントリーが「エスプレッソ」と言う、イタリア語を使ったからなのか?
しかし「エスプレッソ」と言うのは、珈琲の淹れ方であってブランド名ではない。
「フォション」は、ご存知のとおりフランスの高級食料品店。
商品サイトを見ても「フランスの高級食材商が見出した日本の雅(みやび)な「お点前」と言う、コピーが付いている。
そもそも「お手前」とは、お薄や濃茶を点てるときの作法であって、飲み方でも淹れたお茶でもない。
もっと言えば、「客人をもてなす心遣いであり、それはお茶を点てるだけにとどまらず、そのしつらえから挨拶にいたるまで全てのコト」を指している。
とすれば、このコピーの意味は「お茶を点てる作法の雅さをフォション風にした缶入りお薄」と言うことになるのだろう。

なんとなくだが、この商品コンセプトは「若い女性にも気軽に抹茶を楽しんでもらいたい。パリのカフェで珈琲を楽しむように」と言うところだったのではないだろうか?
それが、「フォション」と言う名前を冠にし高級感を出そうとして、悪戦苦闘した結果、このようなモノになってしまったとすれば、とても残念な気がするのだ。