日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「慣れ」と言う経験の怖さ

2012-02-07 11:13:24 | ビジネス
昨日は、乳がんの年に1度の一番重要な経過検診日だった。
そのため、いろいろな検査をする必要があり、当然病院での待ち時間も長い。
そんな待ち時間の時、フッと目に留めた医療者向け雑誌があり、その雑誌を読んで時間をやり過ごすことにした。

その雑誌の中に、とても興味深い言葉があった。
「医者塾2011.6vol.11」より
「現役医師に-
 経験と言う財産が「慣れ」形を変える時、
 視野を狭べるだけの「ブリンカー(競馬などの馬に使われる視野を狭める道具)」になる。
 「ブリンカー」を着けたままの経験は、
 ただの「傲慢」にすら形を変える。」

と言う一文だ。 
医師という職業には、経験がとても大切だと言うことは十分に理解できる。
しかし、経験が慣れとなり、新しい知識や考えを取り入れること無く過ごしていけば、いつのまにか時代に遅れた知識しか持たない、肩書きだけの傲慢で頑固な医師となってしまう・・・。
そんな警告文のような文だった。

しかしそれは、何も医師と言う仕事だけに当てはまる言葉ではないように思う。
以前読んだビジネス雑誌などでも、中間管理職以上になると新しいコトを学ぶ姿勢が徐々に失われ、それまでの慣習や前例の踏襲をするようになる傾向がある、と言う指摘がされていた。
医師と違いビジネスの場面では、目の前にいる人の命にかかわるようなコトが無いが、ビジネスそのものは、「経済」と言う社会の血液だと言える。
とすれば、経験と言う「慣れ」が経済を停滞させてしまうコトがある、と言うことだともいえるのではないだろうか。
時には「過去の成功体験」に引きずられ、時代の変化を感じることができずに、前例的なことばかりを繰り返してはいないだろうか。

医療者向けの雑誌の、医師に向けて発せられた言葉ではあるが、それはビジネスと言う違う場所でも同じなのでは?
そんなことを考えながら、雑誌を読んでいた。