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チャイニーズルールか?

2012-02-27 20:14:29 | ビジネス
一部新聞社のWEBサイトに、「商標をめぐり、中国企業にエルメスが敗訴」と言う内容の記事が掲載されている。
この見出しを見たとき、「エルメスが敗訴?」とビックリした。
しかし、この記事を読むと「エルメスが敗訴」と言うよりも、中国の国内企業贔屓によるものだと言うことが分かる。
おそらく、エルメスほどの有名企業ではない日本の企業も、同様に痛い思いをした経験があるのでは?と、想像した。

ただ記事を読むと、中国国内ではこのようなルールが通るかも知れないが、これが国際社会の中ではどうなのだろう?と、思ってしまう。
少なくとも、エルメス自体はフランスの馬具メーカーとして世界中に知られ、今では馬具だけではなく、と言うよりも、馬具よりもバッグやスカーフなどのファッション企業として、人気が高いブランドでもある。
そのため、多くの人にとってはエルメスの「馬のロゴ」を見るだけで、エルメスだと分かるはずだ。
いくら今回は、中国国内のコトだとしても、本当にそれが通用するのだろうか?

北京オリンピックが開催される前、中国での様々なモノマネについて話題になったことがあった。
ミッキーマウスに似せた(と言っても、似せたと言うには程遠い代物だったが)キャラクターが主役の遊園地などは、その最たるものだった。
確かその遊園地は、国営だったと記憶している。
最近では、発売される前の「i-Phone5」が登場したり、正規のアップルストアの近くにアップルストアもどきがあったり・・・と、この手の話題に事欠かない中国だ。

中国政府が、国内企業の成長のために保護的な判断をするのは、ある程度仕方の無いことなのかも知れない。
しかしそれは、「商標」や「著作」などとは別の話だ。
どうもその点について、中国は大らかというか問題意識が低いような気がする。
そしてそのような保護的政策(?)は、決して中国企業が成長するためには、プラスにならないと言うことが理解されていないように感じる。

これまで中国は「世界の工場」と言う部分で、成長をしてきた。
しかし人件費などの高騰で多くの企業は、中国から他のアジアの国々へ移り始めているときく。
とすれば、中国は「世界の工場」としてではない、新たな産業を作る必要があるはずだ。
言い換えれば、国際競争の中で打ち勝つ産業育成が求められている、というコトになる。
そこには、当然今回エルメスが敗訴した「商標」なども、重要なものになっていく。
自国の企業はOKだが、他所の国では×と言うのでは、とても国際市場の中で生き抜くことができない。
既に「チャイニーズ・ルール」は、中国国内でも通用しなくなり始めている、と言う認識が必要なのでは?