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ドラフト会議とブランド力

2014-10-24 18:12:30 | スポーツ

昨日、プロ野球の「ドラフト会議」があった。
その結果は、ご存じの通り。
今回一番の注目の選手が、どの球団が交渉権を得た、などのニュースが新聞やスポーツ新聞大きく報じていた。
この報道を見て「?」と、思ったコトがある。
それは、ドラフト指名選手が最近ある特定球団の入団のために入団を辞退したり、ドラフト会議前から「○○球団に入りたい」というコトを言わなくなった、と言うことだ。

ある特定球団というのは、ご存じの通り「巨人軍」のことだ。
随分前「江川問題」とか「空白の1日」などと言われたことも、あった「巨人軍」への入団。
その後も「巨人軍」に入団したいが為に、辞退をし1年海外の大学へ「野球留学」をした選手もいたように記憶している。
「逆指名」ができる様になると、ドラフト有望選手がこぞって(?)「巨人軍」を指名。
その結果、他球団が最初からその選手を指名から外す、と言うこともあったと思う。

それが、ここしばらくは「逆指名」が出来なくなったコトも影響していか?「何が何でも巨人軍」という選手が、減ったというかいなくなった様な気がする。
今回、複数の球団から1位指名をされた選手は「ドラフト1位指名が夢だった。その夢が叶った」と、コメントをしているようだ。
何より、人気という点では、圧倒的にセリーグの方が人気があるように言われていながら、今回話題になった選手がパリーグの球団からの指名を、ネガティブに受け止めていない、と言う点に大きな変化を感じている。

元々野球ファンではないので、認識間違いがあるとは思うのだが、長い間日本のプロ野球は「巨人軍」という圧倒的な強さを人気を誇るチームによって牽引されてきた。
その為「巨人軍」を頂点とする、セリーグのほうが何かと注目を浴び、人気も高かった。
一方、その様な圧倒的な人気と強豪チームを持たない、パリーグのチームは実力は別にして人気という点では、観客動員も少なく、空席が目立つ様な状況が長い間続いていた。
その様な状況だったからこそ、野球少年達が目指す頂点は「巨人軍」だったのかも知れない。
もちろん、「阪神ファン」もいれば「広島ファン」、「中日ファン」や「横浜ファン」、「ヤクルトファン」もいるのだが、基本的には圧倒的な人気を誇り、ドラフトの話題も「誰が巨人に入るのか?」というコトだったような気がする。

その流れがいつの間にか、大きく代わりパリーグのチームの試合の観客動員は増え、テレビなどでの野球中継では無く、ファンが球場に足を運び観戦する、と言う「観戦スタイル」が定着。
と同時に、ドラフト会議のような場所でも指名をされた選手が交渉辞退をすることなく、入団をする様になってきた様に感じるのだ。

そう考えると、圧倒的に強いブランド力のあった「巨人軍」のブランド力は、どうなってしまったのか?と言う気がしてくる。
おそらく「巨人軍」のブランド力が低下したのではなく、他の球団のブランド力が強くなってきただけなのだと思う。
特にパリーグのチームが、積極的に観客動員を増やすために様々な方法で、チームの魅力を発信し、努力を積み重ねてきた結果が、ここ2、3年に見られる様な「ドラフト会議、指名選手のコメント」に繋がっている様な気がする。
結果として「巨人軍」のブランド力が、霞んでしまった(?)という気がした、今回のドラフト会議だった。