日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

障害者も立派な働き手

2018-09-01 22:12:07 | ビジネス

今日、知人たちと久しぶりに食事をした。
帰り、ファッションビルに立ち寄ったとき、期間限定のチョコレートショップが目に付いた。
目に付いた理由は「障害者がショコラティエ(作り手)となり、妥協のないモノづくり」という文が、看板といっしょにあったからだ。

これまで障害者の就労というと「福祉事業所(で作業を覚えるという理由で)、安価な賃金で働く」というのが、一般的だったような気がする。
就労といっても、仕事全体を任せるというよりも、補助的作業の補助のような単純な仕事で、障害者が自立するほどの収入を得ることは、最初から考えていないような印象を持っている。
もちろん、そのような福祉事業所ばかりではないと思うが、最初から障害者の自立は難しい、という思い込み(?)があり、仕事そのものを限定的な仕事をさせていたような気がする。

もちろん、障害者全てが自立できるような仕事ができるのか?ということはあると思うが、「障害者だから・・・」という狭い視野で見ている部分はあると思う。
だからこそ、この「障害者がショコラティエとなる」という文言には、少し驚いたのだ。
そしてショップに置かれたチョコレートは、一つ一つ丁寧にパッケージをされていて、試食で食べさせていただいたチョコレートはとても美味しかった。
街中にあるチョコレート専門店と遜色がない、と感じた。

ここ数日、官公庁の障害者就労の人数が水増しされていた、ということが連日のように報道されている。
中小企業を含め、一般企業は障害者就労に対して厳しい目標と採用記録となるような資料、ペナルティーが課せられているにもかかわらず、官公庁は報告のみであったために、このような「水増し就労報告」がされていたようだ。

しかし考え方を変えると、障害者を立派な働き手として採用し、適材適所の人材を見極め、人材育成をする、ということができるのは、官公庁よりも一般企業のほうが得意のような気がする。
確かに障害者といっても、その障害は様々だろう。
収益を求められる一般企業だからこそ、適材適所の人材を見極める必要があり、人材として育成をする覚悟(というと大げさかもしれないが)を必要があるだろう。
それに比べ、官公庁は障害者雇用に関して、そこまでの覚悟をしているのだろうか?

もう一つ言えることは、今の生活者は提供される商品やサービスだけではなく、企業の環境意識や社会参加意識の高さなども重要な消費動機の一つとなっている。
企業にとって、障碍者就労の支援というのは決して、マイナス面ばかりではないのだ。
生活者の意識変化などを気にする必要のない官公庁だからこそ、「障害者就労」の意味や重要性が分からないのでは?という、気がしている。