日々是マーケティング

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「リア充」と「いいね」

2018-09-27 19:32:43 | アラカルト

Yahoo!のトピックスにも紹介されていた、観光地を中心とした「Instagram」による弊害。
LIOM:「二度と来るな!」インスタ映えに命をかける迷惑観光客が撒き散らす害ビジネス、きょうのひとネタ

最近は観光地に限らず、近所の公園でも春は「桜がきれい」と言いながら、スマホで写真を撮影している方が、年々増加している。
どれだけの人が、その写真をInstagramにアップしているのかは、分からないがInstagramを含むSNSへ投稿している方は、多いだろう(と、想像する)。
それが京都などの観光地。その中でも特に有名な観光地である「清水寺」や「伏見稲荷」、「金閣寺」となれば日本人だけではなく中国などから来られた旅行者もスマホで写真を撮り、SNSなどへ投稿しているだろう。

「観光地で写真を撮る」ということ自体は以前からあったはずだが、それが「害」と言われるようになってしまうのは、Instagramを含むSNSだけの問題ではないと思う。
「自撮り」と言われる、背景に有名な建物などを入れる為、様々なポーズを取り「自分+素敵な風景」ということを競うように撮影することに熱中してしまうことが、問題なのではないだろうか?
観光地に行って、観光を楽しむのではなく、観光地にいる自分にしか興味が無い、ということになるかもしれない。

そもそもそのような写真をInstagramをはじめとする、SNSへ投稿してしまう理由は何だろう?と考えると、一昨年~昨年あたりに流行をした「リア充アピール」をして、「いいね👍」をもらう為なのではないだろうか?
しかし、そのような「私って充実していて、素敵でしょ!」アピールの写真を見て、「いいね👍」がどれほどつくのだろうか?
最初は、義理のような感じで「いいね👍」をしていても、そのような自分アピールばかりだと、いつしか「いいね👍」がなくなってくるのでは?
多くの人は、自分に向けられる興味はあっても、他人に対する興味はさほど高くないからだ。
背景となる風景は変わっても、その中心にいるのはいつもと変わらない顔、だとすると、興味が無くなっていくのは当然だと思う。

そんなSNSではなく、もっと違う方法で「いいね👍」を増やす方法があるらしい。
今朝のFM番組で、「めざせ、リア充王」という話があり、確かに!と思ったのだ。
TFMリポビタンD トレンドアイズ:「目指せ、リア充王!」

話の中心は、1980年代~バブル期まで人気だったレジャーが、最近すっかり人気が低迷し、かつてのようなレジャー人口ではなくなっている、というということなのだが、そのテコ入れ策として「リア充」をアピールする、ということなのだ。
特に、スキーやサーフィンは道具にお金がかかり、移動するためにはクルマが欲しくなる。
スキーやサーフィンはもちろん、レジャーで使う為のクルマが欲しい若い世代は年々減っている。
そして、これらのスポーツをしながら、自撮りをすることはできない。
レジャーを楽しむ自撮りがあっても良いが、プラスその場所があればより「いいね👍」をもらいやすいだろう。

いずれにしても、人は他人に対してさほど興味は高くないが、美しい風景には興味があることを考えれば、自己満足感たっぷりの「リア充」写真をSNSで見る気はなく、「害」と言われるほどのことをしても「いいね👍」はもらえないということを、理解する必要があるかもしれない。