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「統計の基本」を学びましょう

2018-09-12 12:42:11 | ビジネス

Yahoo!のトピックスに、これは「統計ではない!」という統計の記事が、取り上げられていた。
Yahoo!トピックス西日本新聞:統計所得、大幅に上昇 政府の手法変更が影響 補正調整されず・・・専門家からは批判も

統計の専門家だけではなく、さほど統計数字を見なれていない方でも「酷い!」と思われる、内容だ。

そもそも「統計」というデータには、2つの見方がある。
一つは、統計がとられた時の状況分析。
もう一つは、以前の統計との比較だ。
そして専門家だけではなく、多くの人たちが注目するのは「統計との比較」だ。
なぜなら、以前や他の統計と比較することで、「今の状況」がつかめるからだ。
そのためには、統計の手法を変えない、という大原則がある。
統計の前提となる条件が同じでなくては、比較する意味が無いからだ。

おそらく、この統計をまとめた担当部局の方々は「目先の良い数字」だけが欲しかったのだと思う。
そして、手法は違うかもしれないが、このような「目先の良い数字」が欲しくて、様々な問題が起きている。
会計上の問題となるのは「粉飾決算」ということになるかもしれない。
最近問題となっている、企業のデータ改ざんなども、その一つといえるだろう。
いずれも意図的に、都合の良い前提条件を基にして「データ」を作り上げている、という点では同じだではないだろうか?

企業などの場合、それなりの社会的糾弾がされるが、国の場合そのようなことはほとんどないと思ているかもしれない。
むしろ「国が出してきたデータだから」という、信頼性があると思ってその数字を見ることのほうが、多いだろう。
企業が発表するデータと違い、「様々な偏り」が少ないからだ。
しかし、その国が出してきた「統計」が、基本中の基本を忘れた内容だとすると、それは国内に対する信用がなくなるだけではなく対外的にも「日本からの統計は、信用できない」という、事になる。

「統計」をとるのは、「客観性」という信頼があるからだ。
その「客観性」は、変わらない前提条件があるからこそ、比較をしたり分析をしたりすることができるのだ。
この統計をつくられた方とこのような統計を出すことを指示した方々は、「統計」の基本をもう一度学び直してほしいものだ。