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「働き方改革」の一つに加えてほしい、「骨髄移植ドナー休暇」

2019-02-13 18:41:59 | 徒然

昨日、メディアがこぞって大きく取り上げたのは、競泳日本代表の選手として期待されている池江璃花子選手の「白血病」だった。
18歳という若さで、罹患するとは!という思いもあれば、10代で罹患するがんのトップが「白血病」があることを考えると、とても複雑な気持ちになる。

ここ20年ほどの間で、がんに対する研究は飛躍的に進歩し、成人のがんに限って言えば「生存率70%」といわれるまでになってきている。
それは「白血病」についても、同様のことが言えるというのが、現在の状況だ。
そして他のがんと同様に「白血病」といっても、様々なタイプがあり、そのタイプに合わせた治療を行う、という「標準治療」も決まっている。
ただし、他のがんと大きく違うのは「骨髄移植」という、他の人からの移植による治療がある、というのも「白血病」の大きな特徴的な治療法かもしれない。

「骨髄バンク」には、池江さんの「白血病」の発表直後から、問い合わせが殺到している、という。
多くの人が、池江さんの「白血病」告白によって「骨髄移植」に興味・関心を持つことになったのだと思う。
しかし、「骨髄移植」は献血のような手軽な方法で、提供できる訳ではない。
現在日本骨髄バンクがドナー(=骨髄提供者)として登録できるのは、18歳~54歳。
健康状態なども厳しくチェックされる。
登録後、骨髄の適合が確認されれば、骨髄移植の為に1週間程度の入院が必要になる。

「ドナーとして適合しましたから、1週間程度の入院をお願いします」といわれ、すぐに動ける人がどれほどいるのだろう?
年齢を見ていただければわかると思うのだが、対象となる人たちの多くは、「働いている人たち」ということになるのだ。
特に、健康状態などに問題が少ない世代(20代~30代)は、企業などでは中心的に働いている世代でもある。
そのような人たちに気軽に「(突然だけど)ドナーとしての休みを認める」と言ってくれる企業は、どれだけあるのだろう?
日本での「骨髄移植ドナー登録」が進まない理由の一つが、この「休みがとりにくい」からだとも言われているのだ。

登録が進まない言い訳のようにも思えるかもしれないが、今年の4月から始まる「働き方改革」の一環として「最低有休消化日」という日にちが設定されていることを考えれば、あながち言い訳でもないと思えるのだ。
もし「働き方改革」の中に「骨髄ドナーとしての有休は、優先的に取得対象とする」などの文言があれば、取得もしやすくなるだろうし、登録者数も増える可能性もあるのでは?と、思うのだ。

医薬品メーカーなどでは、「年間労働時間の何%とかを社会貢献活動に充てる」ということを推奨していると聞くが、そのような企業は日本の大企業と呼ばれる企業でもわずかだろう。
せっかく「骨髄バンク」に興味・関心が高まっているのだから、「働き方改革」の中に「社会貢献活動の一つとして骨髄ドナー休暇」という制度も考えてほしいと思うのだ。