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「公共」って何だろう?

2006-04-13 20:19:06 | アラカルト
昨日、「NHKが受信料の義務化」を打ち出したり、「受信料支払い拒否を続ける世帯に対して懲罰を検討したりしている」と言うニュースが、続けてあった。
もっとも、世間の興味はそれよりもNHKのスポーツ番組プロデューサーの「カラ出張」だったようだが・・・。

NHKの謳い文句は、「みなさまのNHK」。
次にでてくるのが、「公共放送としての使命」。
「みなさまのNHK」はともかく、「公共放送としての使命」って一体なんだろう?
他にも「公共事業」とか「公共施設」といった言葉も、ごく当たり前に使われている。
最近では、「無駄遣いの象徴」として使われることのほうが、多いように感じるが。
今日与党から提出された教育基本法の「愛国心」でも「公共」という言葉が使われている。

では「公共」って何だろう?という疑問がわいてきた。
三省堂「大辞林第二版」によると、
(1)社会全体に関すること。おおやけ。
(2)おおやけのものとして共有すること。
「人間の―するや衆人相共に其務む可き所を尽して/明六雑誌 21」
と言うことのようだ。
とすれば、NHKだけではなく、民放も「公共」だろう。
社会全体が関わって、提供される番組を共有しているのだから。
個人で経営している美術館なども、「公共」のモノといえる。
社会としての貴重な資産であり、文化資源なのだから。

一般的に言われる「公共事業」は、本当の「公共としての事業」なのだろうか?
社会全体に関わり、共有できる財産や文化を創ったり、保護・保全となっているのだろうか?
再三言われてきているが、社会が変われば求められるモノも変わっていく。
30年以上も前に、計画された事業が今でも「公共性の高い事業」とは言い切れない。
でも、それに執着する人や団体がいる。
そうなってしまえば、それは「公共事業」ではなく「私益事業」なはずだ。

今日提出された「教育基本法」の「愛国心」では「公共の心を育てる」ことを、謳っている。
それは「愛国心」ではなく、「道徳」とか「社会倫理」ということではないか?
改めて「公共」という言葉の意味を、考え直す必要があるように感じる。


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1 コメント

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Unknown (すと)
2006-04-14 08:58:54
公共。。。難しい言葉ですよね。

NHKがユーザのニーズを調査しているなんて聞いたことがないのですが、

一体誰のための公共性なんでしょうね。



私はニュースになった「愛国心」という言葉に違和感を感じざるを得ません。

一個人のレベルで見ると、家庭を愛し、住まいの地域こそ愛せど国という括りで愛すことは残念ながらありません。日本という国(制度)に期待、希望が持てないというのが私の中にあるのかもしれませんが…。投票権は放棄していませんが、選挙だけで世の中が変わるとも中々思えない現実があります。
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