日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

百貨店に続いてスーパーも

2005-09-01 18:24:22 | マーケティング
「鉄拳制裁?-高校野球」について、コメントを下さった兵庫県の某職員さん、ありがとうございました。
「日本のスポーツは、軍事教練的な発想から学校体育へと移っていった」という、イメージが私の中にあり、運動ダメダメな子供だった私はその精神論が苦手でした。
そして「勝てば官軍」的なスポーツのあり方が、選手を「駒」として扱うようになってしまうような気がします。
プロのような厳しい世界では、最後は「根性の差」といわれていますが、その前にあるはずの「スポーツの楽しさ」ということを、もっと大切にして欲しいと思いますね。

三越などの「老舗百貨店」の、店舗閉鎖が続いている。
経営不振に陥っている、スーパー「ダイエー」が不採算店舗の閉鎖は仕方ないのだが、今度は「イトーヨーカ堂」が全国30店舗の閉鎖を発表している。
「イトーヨーカ堂」といえば、売上で百貨店を初めて抜いたスーパーだった。
その後、子会社のコンビニエンス・ストアー「セブン・イレブン」に抜かれるのだが、百貨店の低迷に対して、スーパーの元気さの象徴だった。
それが一気に30店舗の閉鎖というのは、やや驚く。

反面、今週発売の「週刊東洋経済」では「SC(=ショッピングセンター)」の特集を組んでいる。
今回の「イトーヨーカ堂」の閉鎖予定の店舗は、旧来の「総合スーパーマーケット」が対象となっていて、現在積極的に展開している「ショッピングセンター」については、閉鎖予定はないようだ。

このことから、小売のあり方の一つの方向が見えてくるような気がする。
それは、「一つの店舗であれもこれも」という「総合型小売」ではなく、「餅は餅屋」のように「専門店の集積+ワクワク・ドキドキ感のあるアミューズメント性」ということ。
「アミューズメント性」と言っても、バブルの頃に見られたような「遊園施設の併設」ということではない。
「おもてなし」という、「買い物に来る人が求める『心地良さ』の提供」ということだ。

百貨店でのお買い物は、「日常の中にある『ハレ』」だった。
その「日常のハレ」感がなくなり、お高くとまった百貨店は「心地良さ」から「堅苦しさ」を感じる場所となった。
スーパーは「一箇所で必要最低限のものが揃う場所」として、生き残ってきた。
それが「ショッピングセンター」という、「日常の専門性とアミューズメント性」へと取って代わられようとしている。
それは、私たちの生活思考の変化の過程なのではないだろうか?

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1 コメント

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Unknown (兵庫県の某職員)
2005-09-02 00:50:14
私たちの業界にも数値目標という考え方が入りつつあります。ただ、短期的には数値目標は有効でしょうが、イエスマンの多い当業界では長期的には失敗が多いようです。

業績が数値ですぐに分かる小売業などは大変でしょうね。

良い物より売れる物を品揃えすることになってしまうのでしょうね。

考えてみると、製造業もそう。技術を売りにしていた会社は軒並みに低迷している。

これを消費者ニーズの調査不足でかたづけるのは簡単ですが、本当は消費者のスキルアップ不足ではないのでしょうか。

政治だって、理想より短期目標優先で動いている。
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