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脆弱な都市の電力インフラ

2022-03-22 20:49:03 | アラカルト

先日発生福島県沖の地震。
この地震によって、東京電力管内で停電が起きた。
東京北部から関東一円という、比較的広い範囲での停電だったように思う。
そして昨日、東京電力が「電力需要がひっ迫するため、停電の可能性がある」という発表をした。
この発表に合わせ、東京都などが「停電を避ける為の節電のお願い」をする、という状況になった。
朝日新聞: 「午後8時以降、200万~300万戸規模停電のおそれ」東電

何故このような状況になったのか?といえば、11年前の「東日本大震災」によって、福島の「東京電力福島第一原子力発電所事故」が起こり、電力需要を確保するために、停止していた火力発電を急遽稼働させることになった、という経過がある。
そして今回の地震により、火力発電所での発電量が十分確保することが難しい、という判断があったためだ。

このような状況になると、都市のインフラの中でも電力に関しては、脆弱さを感じる。
脆弱だから悪い、というのではない。
都市の生活が、電力に支えられているのか?ということを実感せざる得ない、ということだ。
と同時に、世界的な「脱炭素社会」に向けた取り組みの難しさ、というモノも感じるのだ。

とはいうものの、火力発電頼みでは「脱炭素社会」を実現することは不可能、ということはご存じの通りだ。
代替エネルギーとして注目されているのが、「自然エネルギー」ということになるのだが、安定供給という点ではまだまだ難しく、克服しなくてはならない問題も残されている。

その「自然エネルギー」についても、10年ほど前「自然エネルギーの花形」のように言われていた「太陽光発電」も、様々な問題が露呈し始めている。
一つは、太陽光発電パネルそのものの耐用年数が迫り、使われていた太陽光発電パネルの廃棄などの問題だ。
太陽光パネルに使われている素材を分別し、再利用するという仕組みができていない、ということもあり、昨年あたりから問題になり始めている。
もう一つは、「太陽光発電は儲かる」という言葉に乗せられ(?)山の斜面などに設置した「太陽光パネル」が、大雨などにより土砂崩れと共に流れ落ちてしまう、というトラブルが起きているという点だ。
本来であれば、太陽光発電パネルの設置者が責任をもって処分・廃棄後、再び設置をするか植林などをして元に戻すようなことをしなくてはならないはずなのだが、そのような「当たり前の対応」すら十分にされていない、という状況の「使われなくなった太陽光発電パネル」が、全国に点在している、とも言われている。

あくまでも個人的な考えなのだが、「太陽光発電システム」そのものは、山を削り設置するようなモノではない、と考えている。
むしろ都市部のほうが、太陽光発電は向いているのでは?という気がしているのだ。
例えば、大型のショッピングセンターや病院、マンションの屋根や駐車場に設置することが可能であれば、そのほうが「エネルギーの地産地消」がスムーズになるだけではなく、今回のような電力がひっ迫するような状況になっても、ある程度余裕が持てる。
そのために必要なモノは、蓄電技術ということになることは、随分前から言われているコトだ。

人には「Not  In My Backyard」という、あると便利なモノではあるが、危険なモノは身近に置きたくない、という心理がある、といわれている。
その一つが「原子力発電所」であったり、景観を壊す「太陽光発電」なのでは?
とすれば、デザイン性などに工夫をし「身近にあっても良い自然エネルギー(この場合は「太陽光発電」ということになる)システム」の在り方も考えていく必要があるのではないだろうか?

脆弱なエネルギーシステムを抱えている都市部だからこそ、最優先で考えるべきことのような気がする。



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