新聞各紙に、Intelに対して米国政府が約1.3兆円の補助金を提供する、と報じている。
日経新聞:アメリカ政府、インテルに1.3兆円補助金 半導体製造で最大
一見インテルが業績不振に陥っていたのか?と、勘違いを思想な見出しだが、実はそうではない。
米国内での製造拠点を増やし、サプライチェーンを充実させるための投資を支援する、という内容だ。
PCのほとんどには、インテルの半導体が使われている。
昔懐かしい「インテル、入ってる?」というCM通り、インテルの半導体はPCに入っていて当たり前という時代なのだ。
勿論、インテルのライバル企業(と言ってよいのか?)AMDのRYZENを搭載したPCも随分見るようになってきたが、AMDが元々インテルから分かれた企業だとすれば、やはりインテルという企業そのものが、米国における半導体企業の中心である、と考えてもよいだろう。
この半導体を巡り、台湾や中国としのぎを削り一人負け状態に陥っているのが、現在の日本である。
年明け頃から、日本の半導体企業についても明るい話題が、出てくるようになったが、それでも「半導体市場」において、日本は2番手、3番手になってしまっていることには、変わりないのでは?と、考えている。
以前にも拙ブログで書かせていただいたと思うのだが、数年前に某大学の市民公開講座で「半導体」について、企業側から話を聞いた時、インテルのような半導体企業だけではなく、AppleやGoogle、Amazon等いわゆる「GAFA」と呼ばれる企業の内、3社が半導体事業に乗り出すのでは?という話をされていた。
その当時でも、Amazonは「Fire」というタブレットを発売していたし、子の講演会後にはGoogleが自社名のスマホを発売している。
Appleに関しては、言うまでもないだろう。
そして現在に至るまで、台湾がその半導体製造の大きな市場を獲得している。
当時と今と違うのは、AI化が進みAIそのものが生活の中に当たり前な存在となりつつある、ということだろう。
IOTと呼ばれる「家電のAI化」だけではなく、ChatGTP等のシステムを動かす為には「半導体」が必要だ。
かつてのような「半導体=PC関連」という時代ではなくなってきている、ということなのだ。
だからこそ、半導体市場そのそのものは激化しているし、これから先ますます激化していくだろう。
ただ今回の米国政府のインテルに対する補助の多さから考えられるのは、単純に国内の半導体製造を守る、というだけではないのでは?という気がしている。
というのも先日、米国では中国で開発された動画サイト「TikTok」の利用禁止が決まったからだ。
「TikTok」に関しては、情報の漏洩リスクということが再三指摘されてきた。
日本国内においては、その危機感がさほど感じられず、多くの企業も広告宣伝のツールとして活用しているが、欧米では企業利用そのものを禁止する、という動きとなっているということになる。
情報の漏洩だけではなく、AIやChatGTP等ネットワークに蓄積される様々な情報を保護する、という目的もあるのでは?という気がしている。
その意味でこれまでとは違う「半導体戦争」が始まり、激化するのでは?と想像している。
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