今日の午前中、二階俊博氏の記者会見があった。
YouTube(abemaTV) :【Live】自民・二階俊博元幹事長衆院選に不出馬の意向を固める
abemaTVのライブ動画なので、いつまで公開されるのかは不明だが、ライブ映像が見られなかった方は、是非見ていただきたい。
この記者会見の冒頭から記者質問までは、終始用意された原稿を読み、顔を上げることも無かった。
その後の記者からの質問になっても、顔を上げるということはほとんどなく、隣にいる側近の林幹夫衆議院議員が代わりに答えるということとなった。
終始、二階氏から感じられたのは、「イラ立ちと自分の言葉で話していない」と感じさせるものだった。
もう一つ感じたことは「昭和の政治家の終焉」だった。
確か二階氏の選挙区は、和歌山県の中でも辺鄙なところだと、記憶している。
高齢化が進み、限界集落と呼ばれる地域も選挙区に含まれているのでは?と、想像している。
このような地域では、国会議員の先生にお願いをして、インフラの整備を優先的に進めてもらったり、交付金や補助金等に対する働きかけをお願いする傾向があるからだ。
そして、その成果として選挙では圧倒的な得票数を得る、ということができるような「仕組み」が、出来上がっている。
都市部に住む人達からすると「利益誘導型の選挙」ということになるのだと思うのだが、昭和という時代はそのような「利益誘導型の選挙」が、主流だった。
そのような背景となった一つが、地方から都市部へと「労働力」として流出していったからだ。
「地方は『労働力』を提供する代わりに、他の利益を選挙区に還元する」そのような人とお金の流れによって、高度経済成長は支えられてきた、という背景があった、ということは忘れてはいけないだろう。
だからこそ、「利益誘導」ができる政治家が、選挙区では圧倒的な強さを持っていたのだ。
その一人が二階氏であり、時代が変わっても同じ手法で、政治を続けてきたのが自民党という政党であった、ということなのだと思う。
その転換期となったのは、菅元総理が「政府に頼る前に、自助」という発言をした頃からだろうか?
この発言は、生活者に対する「国をあてにするな、個人でなんでもやれ!」というニュアンスで受け止められ、反感を買った。
反感を買ったのは、生活者だけではなく「昭和型利益誘導行政」を続けてきた地方の自治体にとっても、衝撃的な発言だったのではないだろうか?
何故なら、「利益誘導型政治家」によって、首長以下行政に携わる人達のほとんどの人達は、自分たちで地域経済を活性化させることを考えることなくいたからだ。
それまでの行政運営を180度変えることを迫られても、長年にわたる「利益誘導型政治家」頼りの思考を変えることはできなかっただろう。
現在の地方における、地域活性化の格差のようなものは、このような行政の発想の差からきているのではないだろうか?
だからこそ、二階氏は「選挙区の地元の人達」という言葉を何度も口にし、自分の選挙基盤が盤石であるということを言っていたのだと思う。
昨年の自民党裏金問題に端を発した、自民党のグダグダさ加減は、想像以上にひどかった。
その「グダグダさ」が表に出てきた、ということは「昭和の政治家の終焉」でもあるのでは?という気がしている。
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