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鉄拳制裁?それとも・・・-高校野球-

2005-08-28 07:31:47 | スポーツ
夏の高校野球で2連覇した駒大苫小牧で、野球部部長が部員に暴力をふるった事件があった。
優勝旗返還など、どうなるのかと思っていたのだが、優勝旗の返還も無く暴力をふるった部長の謹慎処分だけとなったようだ。
これはこれで良かったと思うのだが、そもそも部長が部員に暴力をふるった理由は、なんだったのだろうか?

最初、この事件が報道された時「食事の時間での態度に問題があった」ので、「注意のために暴力をふるった」と言われていたような気がした。
その後の報道では、その原因よりも殴った回数が部員の親御さんと学校との食い違いばかりが、言われるようになってしまった。

暴力を肯定する気はさらさら無いが、原因が部員である生徒自身に問題があったことなら、ここまで大きな問題にならなかったのではないだろうか?
「食事の態度が原因」というのであれば、暴力をふるった部長だけではなく、部員である生徒もその親も「しつけ」という意味では、問題だったのではないだろうか?
どうもこの問題の背景には、単純な鉄拳制裁ということだけではないような気がするのである。

そもそも運動部には、「鉄拳制裁容認」的なところが昔からあった。
それは、「巨人の星」にみられるような「親子関係」や「師弟関係」では、愛情表現の一つとされてきていた。
「殴られる子供(生徒)も辛いが、殴る親(教師)も辛い」という、共通認識のようなものがあったと思われる。
「強くなるためには、時には殴ることも必要」というわけだ。
1960年代の「スポ根」ドラマやアニメには、このような場面は不可欠要素だった。
それがいつしか、「暴力はいかなる理由があっても、いけないこと」という認識に、変わり「スポ根」そのものが姿を消していった。
その代わりに言われるようになったのが、「個性を伸ばす」「個性を尊重する」という考え方だった。

確かに、軍事教練のような鉄拳制裁を課すスポーツ指導のあり方は、科学的ではないし選手が成長するとは思えない。
しかし、「個性を伸ばす」「個性を尊重する」といいながら、物事の良い悪いを指導しないまま、放置するのは如何なものだろう?
と言うのは、開幕直前に高知県代表の「明徳義塾」が部員の暴力事件を理由に、出場を辞退すると言うことがあったからだ。

今回の駒大苫小牧の事件は、そういった意味で「殴った原因」が何処かへいってしまい、「殴った」という事実だけが、大きく取り上げられてしまっているような気がするのである。

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1 コメント

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Unknown (兵庫県の某職員)
2005-08-30 23:28:00
苫小牧の部長さんは悪意でやった訳ではないでしょう。たぶんですが。

明徳の場合は、最悪のケースも考えられます。あくまで想像ですが、上級生が才能ある新入部員に対して、レギュラーを取られないよう、早い目につぶしてしまう。

上級生による下級生への暴力、しごきはこのような部分もあるのではないでしょうか。

よく、スポーツマンシップに乗っ取り正々堂々と・・・・と選手宣誓しますが、あれは、どろどろした裏があるから誓わせないといけなくなったからでしょうか。

スポーツは好きですが、大昔に駒扱いされてから個人的に楽しむ程度になりました。
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