春・夏の甲子園で活躍した高校球児たちの、将来と言えば「プロ野球から大学進学もしくは社会人野球」という選択肢しかなかった。
それが、新たな選択をしようとしている高校球児がいる。
夏の甲子園でベスト8に進出しながらも、準々決勝で敗退した花巻東高の佐々木麟太郎選手だ。
朝日新聞:注目の強打者、花巻東佐々木麟太郎は米国の大学へ プロ志願届出さず
今年の夏の甲子園で優勝を果たしたのは、神奈川代表の慶応高校だった。
そして、慶応高校の選手たちはプロへは行かず、大学へ進学するだろうと、言われている(ようだ)。
理由は、説明するまでもない。
彼らは、偏差値も高い慶応大学の付属高校の生徒たちだからだ。
そう考えれば、ほとんどの生徒たちは当然のように慶応大学へ進学するであろう、と想像できる。
一方、甲子園という晴れ舞台で活躍した高校球児たちの多くは、「いずれはプロ野球選手」という夢を抱いている生徒たちも、数多くいるはずだ。
だからこそ、プロ野球球団のスカウトの目に留まるような、活躍をしたい!と願い、日々努力をしている生徒たちがいるはずだ。
プロ野球は無理でも、社会人野球で活躍することを考えている生徒もいるかもしれない。
高校球児たちにとって、高校3年の秋は「自分の進路(どころか人生)を決める季節」でもある。
30年ほど前には、ドラフト会議で自分が希望するプロ野球球団から声がかからず、辞退をする球児もいたし、希望通りではない球団に入団し野球の才をより大きく開かせた選手もいる。
その後「逆指名」と呼ばれる、選手側が「自分はこの球団に入りたい」とメディアを通して話をするようになり、球団側もその意向を汲むということも起きてきた。
「職業選択の自由」という点を考えれば、それはそれで良い傾向だと思うのだが、メディアが最注目する高校球児たちの進路選択肢というのは、ほぼこの3つくらいしかなかったように思う。
その選択肢に新たな選択をしたのが、花巻東の佐々木麟太郎選手かもしれない、と思ったのだ。
それが海外の大学へ進学するという、「留学」という選択だ。
「野球の本場・アメリカに渡る」というのは、既に日本のプロ野球で実績を積んだ選手に「許される選択」だった。
少なくとも世間では、そのように思い込んでいたのではないだろうか?
それに対して、確かに佐々木麟太郎選手は高校野球の実績はあるが、プロ野球を経験している訳ではない。
だからといって、すぐにメジャーリーグから声をかけてもらえるとも思えない。
勿論、昨今のメジャーリーグでの日本人選手の活躍から、メジャー球団も注目をしているかもしれないが、やはり日本のプロ野球の方が優先されるような感じがある。
そのような、これまでの「メジャーリーグで活躍したい」という思いのルートを、新しく開拓した(大袈裟な表現だが)という、気がしたのだ。
米国のカレッジリーグで活躍するだけではなく、勉学にも励む必要があるだろう。
「日本の野球」を外から見ることで、「良いところ・改善すべきところ」等も見えてくるかもしれない。
それらの経験を通して、野球選手としてよりも人間的な成長をしてほしいと、ご両親も願われたのではないだろうか?
米国の大学に進学する為の、ハードルは高いかもしれないが、是非成功して欲しいと願っている。
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