日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

伊藤園の海外進出

2010-08-24 20:27:09 | ビジネス
今日、買い物に行った輸入食材を扱うお店で意外なモノを発見した。
伊藤園の、「オーストラリア」と言う名前の緑茶だ。
「お~い、お茶」の伊藤園と「オーストラリア」が結びつかず、しばし、商品棚の前で説明文を読んでいた。
説明文には
「世界に向けて発信する日本茶のおいしさ」
と題して、「日本のお茶の産地と気候の似ているオーストラリアのビクトリア州で、お茶の生産をはじめた」と言う内容だった。
(写真は、ペットボトルのフィルムに印刷された説明文)
どこのスーパーでも置いてある商品ではないようで、百貨店系のスーパーマーケットグループと伊藤園がジョイント企画した商品のようだ。
ただ、この「オーストラリア」と言う商品は日本向けに作られたようだが、伊藤園自体は、本格的に「海外向け緑茶」をオーストラリアで栽培し、2004年には製茶工場も建設し、本格的な「海外進出」をしているようだ。
伊藤園プレスリリース・緑茶の荒茶工場をオーストラリアに建設

「日本茶の海外進出」と言うと、サントリーの「伊右衛門」がある。
サントリーが海外進出を発表した時、「お茶を飲む文化の違い」から疑問視されることがあった。
東アジアなどの国々では、「緑茶にたっぷりの砂糖を入れて飲む」と言う習慣があり、独特の苦味と甘味のある日本茶の楽しみが、受け入れられるのか?と言う点だった。
ただ、サントリーが進出したトコロが米国で、折りしも「日本食ブーム」などがあり、日本で飲まれている日本茶文化もすんなりと受け入れられたようだ。
むしろ、健康志向が強い米国では、砂糖などを入れない日本茶の飲み方は「健康飲料」として、受け入れられたように思う。

サントリーの「伊右衛門」は、あくまでも「日本で作っている」と言うコトを売りとしている。
しかし、今回紹介した伊藤園の場合は、海外で茶葉生産をし、加工し海外で販売するコトを目的としているようなのだ。
そして今回は、その外国生まれの日本茶を味わって欲しい。と言うコトのようだ。

今後、このような日本文化をプラスした日本食の海外進出があるかも知れない。
そのモデルケースとして、「サントリー・伊右衛門」タイプと「伊藤園・オーストラリア」タイプに別れるような気がしている。
「どちらが良い」と言うのではなく、「どちらもある」と思う。
何より大切なコトは、「文化としての日本食」を伝えるコトだと思うからだ。


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