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過去最大の貿易赤字

2023-04-21 20:28:14 | ビジネス

昨日発表された、日本の「過去最大の貿易赤字」というニュースは、いろいろな意味で衝撃的だったのではないだろうか?
NHK:昨年度の貿易収支21兆7285億円の赤字 1979年度以降で最大 

まずこのニュースを聞いて感じたことの一つは、「日本は輸出大国ではない」という点だ。
輸出によって得られる収益よりも、輸入によって支出される額の方が大きい、ということになるからだ。
とすれば、これまで日本政府が行ってきた「自動車などの輸出産業」などという言葉は、随分前に終わっているにもかかわらず、現状を見ないまま経済政策を行ってきた、ということになる。

拙ブログでも、「日本は既に輸出大国ではない」という指摘をしてきたつもりだ。
その理由として
1.1970年代~1980年代頃の花形輸出産業であった、自動車や家電などは生産拠点を国外に移転させている。
2.部品などの調達先も海外へと移転させている。
と言った理由から、かつての輸出産業は輸出産業ではなくなっている、と書いてきたつもりだ。
これらの要因に、昨年からの急激な円安により、貿易赤字が過去最大になったと考えるのが、自然なのではないだろうか?

とすると、今の日本の財政は決して健全な状況ではないのでは?という、気がしてくる。
赤字国債に大幅な貿易赤字という状況は、ビジネスパーソンだけではなく多くの国民が認識すべき、今の日本財政ということになるのでは?
しかしながら、この双子の赤字のような状況を一気に解決する術はおそらくないだろう。
ビジネス雑誌などで取り上げられる「V字回復」ということは、まず起きないと考えるべきだと思う。

そのような状況を考えれば、企業として行うべきことは何だろうか?ということなのだ。
人件費の安い海外進出は、グローバルな市場で戦う為には必要なことかもしれない。
既に定着した海外工場の従業員の生活を守る、という使命もあるはずだ。
とすれば、どのような生産部門を国内に移転させるべきか?と考えれば、「高付加価値を生む」ことができるもの、ということになる。
単純に、海外へ移転させた生産部門を国内に戻すのではなく、「Japan Craft」と呼べるようなモノづくりを目指す必要がある、ということになるのでは?
と同時に、地方の衰退しつつある産業の復活の手助けとなるような仕組みを、今考えることが重要な気がしている。

そもそも「生産しない東京」に企業収益が集中するのではなく、創業の地に戻るということも時には必要かもしれない。
それが「ものづくりの原点」となるのであれば、政府も支援する意味があるのではないだろうか?
「ものづくり」と言っても、いわゆる第二次産業のことを指しているのではない。
むしろ、第三次産業のようなモノづくりもまた、地方への移転を進めるような政策が欲しい。
何故なら、第三次産業ほど「場所と時間」に制約されない場合が多いからだ。
そのような環境の中で「Japan Craft」と呼べるような、創造性の高い産業が生まれれば、自然と人の流れも変わっていくだろうし、一極集中の今のような「東京価値観」からもまた脱却できるような気がしている。





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